稲垣吾郎が別役実「象」に出演…10年3月新国立劇場:芸能:スポーツ報知
http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20090115-OHT1T00214.htm
稲垣吾郎が別役実「象」に出演…10年3月新国立劇場 東京・初台の新国立劇場の2009/2010シーズンのラインアップ説明会が15日同所で行われ、稲垣吾郎(35)が出演する「象」が10年3月に上演されること発表された。
別役実氏作の62年に劇団「自由舞台」の旗揚げに上演された作品で、広島の原爆で負ったケロイドを見せびらかす病人とそれを引き留める男性を描く。演出は深津篤史氏で、他に大杉漣(57)、神野三鈴(42)、羽場裕一(47)、奥菜恵(29)らが出演。
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象|演劇|新国立劇場
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000208_play.html
●公演日程
2010年3月
原爆で背中に負ったケロイドを、町中で見せびらかし、町の人々から拍手喝采を得たいと奇妙な情熱を抱く病人。彼を引き止め、人々はもう我々被爆者を愛しも憎みも嫌がりもしないんだ、ただとめどなく優しいだけなんだ、だからひっそり我慢することしかしてはいけないと説得する甥。ふたりの心の行き違いから、原爆病者の陥った閉塞状況を、ひいては人間全般の抱える存在の不安を、静けさの張りつめた筆致で描いた作品『象』は1962年の劇団「自由舞台」の旗揚げに上演され、深い孤独と不安に耐え、静かな生活をまもりぬこうとする人間の姿を鮮烈に描きながら、原爆の恐怖と苦しみを斬新な手法で表現し、日本演劇界に衝撃を与えました。
別役実25才の時、初期の代表作であり今も上演され続けている本作品のテーマは、発表から既に45年以上が経過した現在の日本、さらには世界の現状をみつめてみても全く色あせてはいません。
演出には、新国立劇場において、岸田國士作『動員挿話』初演、再演、三島由紀夫作『近代能楽集─弱法師─』を演出し高い評価を受けた深津篤史を迎え、今の時代に相応しい新しい視点から捉えた『象』を上演いたします。
●スタッフ
作:別役 実
演出:深津篤史
芸術監督:鵜山 仁
主催:新国立劇場
●キャスト
稲垣吾郎 大杉 漣 神野三鈴 羽場裕一 奥菜 恵
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#鵜山 仁さんは「アンネの日記」からのおつき合いですね。
プロフィール
【作】別役 実(べつやくみのる)
1937年、旧満州(現、中国東北部)生まれ。劇作家、小説家、エッセイスト。
日本の不条理演劇を確立した第一人者。
早稲田大学政治経済学部政治学科に入学、ベケットらの不条理劇に影響を受け、鈴木忠志らと劇団「自由舞台」(後の早稲田小劇場)を創設。その旗揚げ公演であった戯曲『象』(62年)で注目され、『マッチ売りの少女』(66年)と『赤い鳥の居る風景』(67年)で67年第13回〈新劇〉岸田國士戯曲賞を受賞。
68年に早稲田小劇場を離れてからは、俳小、演劇集団円、木山事務所、俳優座、文学座アトリエなどに次々と戯曲を提供。72年に山崎正和、末木利文らと「手の会」を結成。71年、『街と飛行船』『不思議の国のアリス』で紀伊國屋演劇賞受賞。同年『そよそよ族の叛乱』で芸術選奨新人賞、87年に戯曲集『諸国を遍歴する二人の騎士の物語』で読売文学賞、88年、『ジョバンニの父への旅』で芸術選奨文部大臣賞を受賞。98年には毎日芸術賞特別賞など受賞歴多数。2007年、劇作130本を達成する。
戯曲や童話の他に、生物学の常識を覆す奇書のふりをしたジョークエッセイ『虫づくし』をはじめ、日本古来、および現代の妖怪の生態を解説した『もののけづくし』や、『けものづくし』『鳥づくし』『魚づくし』など「〜づくし」シリーズは、ナンセンス作家としての著者を一躍有名にした。また衝撃的な事件の闇に包まれたメカニズムを鋭敏な目で分析した犯罪エッセイ、「犯罪症候群」などの独創的な論考も発表しており、その関心は森羅万象に及ぶ。03年4月より、兵庫県立ピッコロ劇団代表。
【演 出】深津篤史(ふかつ しげふみ)
1967年、兵庫県に生まれる。同志社大学院文学研究科修士課程卒。
関西で活躍する劇団桃園会主宰。劇団の作品の作・演出に携わり、主な作品に『うちやまつり』(98年、第42回岸田國士戯曲賞受賞)、『のたり、のたり』『よぶには、とおい』『熱帯夜』『パラダイスロスト、ロスト』など。飛田演劇賞快挙賞、兵庫県芸術奨励賞、大阪咲くやこの花賞を受賞。
新国立劇場では2005年、岸田國士作『動員挿話』を演出し、第13回読売演劇大賞優秀演出家賞受賞。この作品は08年2〜3月に同じスタッフ・キャストで再演された。08年9月には、三島由紀夫作の近代能楽集『弱法師』を演出し好評を博す。
現在、関西の若手演劇人の中で最も注目される一人である。

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