バンコクに住んで日常、目にしたり体験したこの国の音楽事情/情報の覚え書きです。
ルークトゥンからT-Popsまで幅広く。
但し、守備範囲は私個人の好みに合わせますので、アシカラズ。
2005/5/21

これは珍しい、笑顔のターイ。『ユー ナイ ジャイ サムー』VCDでの1シーンより
よく、外国語を勉強する時には、その国の歌を聴くと覚え易いと言います。英語のポップスやロックを聴いた事が、英語の上達に有効だったと云う経験は、だれしも有ったことでは無いでしょうか。そして、タイ語も然りでしょう。しかも、より綺麗なタイ語をと云うなら、これはルークトゥンが最適です。良くもまぁ、こんなに単語、単語をしっかりと崩さないで発声し、歌にする事が出来るもんなのかと思うことしきりです。タイ語を何処まで綺麗に発声出来るか、これはルークトゥンの醍醐味のひとつと言えるでしょう。
昨日のblogの中で紹介した、サラ−クンヌウット氏のコンサートVCDの最後の所で、ゴット、シリポーン、マイ ピロンポン、ターイ オラタイの4人に囲まれて氏が歌いながら登場するんですが、途中、自分は素晴らしい人々に囲まれてこれまでやって来る事が出来たと感謝の言葉を語り始め、コンサートの参加者の名をひとり、ひとり、呼びあげ『 コップン 誰、誰』と。。。そして当然ながら『コップン カップ ポー メー』となるんですが、その後です。なんと彼は『コップン パサータイ』と言うんですね。ルークトゥンが如何に言葉に対して、即ちタイ語文化に対して、深い想いを持って作られ、歌われているかという事にならないでしょうか。
始めに歌詞ありき。。。多分、タイ人にとってルークトゥンはそうゆうモノでしょう。1曲、1曲、固有のメロディーというものは、結構、あって無いようなものだと思います。だから、アレ!この歌い回しどこかで聴いたことがあるぞ、とかいう事はかなりあると。。。歌われる内容をまず重視し、タイ語の発声に十分注意を払いと、メロディー作りには足かせが少なくない筈です。しかし、確かにそう云う土台の上にルークトゥンは組み上げられますが、そういう規制のある中で如何にメロディーを産み出すのか、作曲家の力に掛かるモノは大きいと思います。そして、歌手が如何にその歌唱によって、歌に、息を吹きかけるとい言うか、血を注ぐと言うか、するわけです。さあ、このサラ−クンヌウット氏とターイ オラタイの組み合わせは、素晴らしい成果をあげていると言えるでしょう。
なんか、いい事ずくめのターイ オラタイですが。。。どうして、笑顔が少ないのでしょう?後で紹介するVCD映像で2箇所、すごく自然なターイの笑顔が入っています。もう、すごく安心したものです。まぁ、それが彼女の個性なのかも知れませんが、TV出演していても、よく言って落ち着いている、悪く言うと(言いたくないんですが。。)暗い。色んなルークトゥン歌手が居ていいと思いますが、もう少し笑顔でもって人の心を和ませる手法を使ったらどうなんでしょう。他の歌手、例えばパメラー、ダオ マユリーとは言いませんが、ラムヤイ位の雰囲気を提供して貰いたいとも思います。このままでは、作る作品が全部、『芸術祭参加作品』的なモノになってしまう。。
3枚目のCDには、ジャケットに“チュット ピセート”と書かれているように特別編集盤という形になっています。これまでのヒット曲、及び外せない曲を挿入しており、新たに耳にする事が出来るのは、5曲のみという事です。看板曲は『ユー ナイ ジャイ サムー』。VCD映像では、冒頭に、“皆様からの暖かいご支援を、ターイは大事に胸にしまい、いつもその事を忘れない。”と出ます。完全にコレまでの成功を振り返る内容で、映像にもGrammyの社長から、サラー氏、数々のTV出演時の映像、ファンとの交流風景、そして、『。。。なんと!今日はおばあちゃんがこのスタジオにいらしてます!』よくあるTVの場面もあります。この時のターイのおばあちゃんに対する崩れ方が半端じゃない。。。
おばあちゃん絡みで、『ファーク プレーン トゥン ヤーイ』−おばあちゃんに捧げる歌。先のTV出演時と同じおばあちゃんですから、本物のおばあちゃんを起用した訳です。VCD映像も田舎を出るところから始まり、着々と歌手として伸びていく様が描かれ、そんなクルンテープでの孫娘の成長を田舎でTVを見て知るおばあちゃんの姿とか、成功の後に田舎に帰るターイ、『おばあちゃん、これが新しいお家よ!見て!』というシーンとか、そのまんま入ってます。こういうのって、ファンにとったら単純にとても楽しい映像です。
“ドーク ヤー”−雑草話は余り出て来ません。ジャケットのターイが手にしているとか、
『ワン ティー ボ ミー アーイ』とかで冒頭で雑草の絵が空を舞うとか、そういった形で残ってはいますが、引っ越した部屋での新しい生活ストーリーは、もう少しお預けみたいですね。。。
コレまでのヒット曲が全部入っていて、更にお宝映像つき(VCD)というんですから、私は、圧倒的にこの3枚目をお勧めします。


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