マイタケ、一度は取ってみたいキノコ。ものの本に「森深いミズナラの太い樹の根元‥‥」などと書いてあり、気になって探すけど、そう簡単には見つからない。見つけると舞い踊るくらい嬉しいからマイタケ、なんて言う説があるくらいだから。パパはどちらかと言うと、一発当て屋のギャンブラー。小さいキノコをちまちまと探すよりマイタケを探したいと言う。
以前来たお客様が、そんな私たちにマイタケの出るホダ木を教えてくれた。キノコはたいていホダ木にキノコの菌糸のついたコマを打ち込んで栽培するのだが、マイタケはオガ菌しか売ってないので、ちょっと試しに買うには敷居が高い。教えてくれたのは(カタログまで頂いた)、大貫菌蕈の「マイデル」。マイタケのホダ木3本で4000円と少々値が張るが、これを地中に埋めておくと天然物並みの香りの良いキノコが出ると言う。
速攻で、問い合わせて翌年購入(春締め切りで夏発送の、チャンスは年に1回)し、庭のどこに埋めるのいいかと悩みながら早速地下室の前に埋めたのでした。
翌年は天候が安定しなかったし、まだ1年目だからね‥‥と、マイタケが出なくても期待してなかった。
翌々年、今年こそはと見るけれど、気配もなし。埋めた場所の記憶も怪しくなって来る。
そして今年。何日も続いた雨の合間に、何気に食堂のテラスから地下室の窓の前を見ると、「ん、なんか出てる!!」まぎれもなくマイタケ!雨のせいで土を跳ね上げて汚れてしまっているけど、3年目にしてようやく出た出た!!もうすっかりあきらめて、そのあたりでは春先には落ち葉を燃やしてしまい、地肌が出るくらい枯れ葉をどけてしまったのに。パパに「すっごい嬉しそうな顔してるねえ」と言われた。

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