たけしのコマ大・数学科の第 324 回目。
ビートたけし
テーマ: 辞書学
しかし, こんなのをやるんじゃ完全にネタ切れだな。
戸部: 誰もが一度は引いたことのある辞書。 身近な存在ではありますが意外と知られていない魅力がたっぷりと詰まっているんです。
講師は米粒写経のサンキュータツオ (一橋大学非常勤講師, 外国人への日本語講座担当らしい)
東大生は杉山文菜 (東大大学院) と 松本千慶 (東大農学部 研究員)
「コマ大数学科 特別集中講座」 復刻版 (9/3 発売) の宣伝。
講師のサンキュータツオは, 辞書マニアで, 二百冊以上持っているとか。
「辞書ハーレムを満喫している」。
大学時代に指示した人が国語辞書の編者の一人だった。 それで各編者に拠って編集方針が違うということを知って, 色々違いを読み進めていると違いが色々分かってきて段々増えてきたらしい。
「凡人」 を辞書で引く。
新明解国語辞典 (5th ed): 自らを高める努力を怠ったり功名心を持ち合せなかったりして, 他に対する影響力が皆無のまま一生を終える人。 [マイホーム主義から脱することの出来ない大多数の庶民の意にも用いられる]
代入主義ではなく, 細かいニュアンスまで読み取ろうという編集方針。
実社会 (新明解国語辞典 5th ed): 実際の社会。 [美化・形式化されたものとは違って複雑で虚偽と欺瞞とかが充満し, 毎日が試練の連続であると言える, 厳しい社会を指す]
こういう実体のないものには辞書の違いが現れる。
動かないもので難しいのが 「右」。
木村: 北を向いている時に, 太陽が昇る方向。
これは岩波国語辞典のものらしい。
右: 相対的な位置の一つ。 東を向いた時, 南の方。 又, この辞書を開いて読むとき, 偶数ページのある側を言う。
新明解 (7th ed): アナログ時計の文字盤に向かった時に, 一時から五時までの表示のある側。 [「明」 という漢字の 「月」 が書かれている側と一致]
問題: 「恋愛」 の解釈は?
必要十分条件を満たしていること。 他の語義の説明としても使えるものではいけない。
(ここで CM)
戸部: かなわないもの。
万葉仮名では 「孤悲」 (こひ) と書いた。
東大生: 愛しいと感じる時もあれば, 時には憎しみを抱く, 気持ちがかき乱される状態。 論理的には説明出来ない, 相手を必要とする普遍的な感情の高ぶり。
東大生らしいとタカ。
「感情の高ぶり」 が辞典的だとの評。
木村: 精神と空間を共有したいという感情。
コマ大: 初めてのときめきが永遠に続くこと。 (男 & 男も OK!)
括弧内の条件付きが辞書的だが, 必要十分条件を兼ね備えているとは言い難いかも。 (たけしがディズニーランドを例に出すが, ディズニーランドへの恋愛とは言えないのか)
新明解国語辞典の語義解釈の変遷:
初版 1972: 一組の男女が交互に相手にひかれ, 他の異性を差し置いて最高の存在としてとらえ毎日会わないではいられなくなること。
3rd ed (1981): 特定の異性に特別の感情を抱いて, 二人だけで一緒に居たい, 出来るなら合体したいという気持ちを持ちながら, それが, 常にはかなえられないで, ひどく心を苦しめる (まれにかなえられて歓喜する) 状態。
新明解は 「非モテ辞書」。 「合体」 は 「この辞書で言う性交の事」 と書いてあるのだそうだ。 正確には 「『性交』 のこの辞書での婉曲表現」。
5th ed. (1997): 特定の異性に特別の感情を抱き, 高揚した気分で, 二人だけで一緒にいたい精神的な一体感を分かち合いたい, 出来るなら肉体的な一体感も得たいと願いながら, 常にはかなえられないで, やるせない思いに駆られたり, まれにかなえられて換気したりする状態に身を置くこと。
「男女」 では男が先で男尊女卑だという人が現れたので 「特定の異性」 に表現が改まっている。
最新版 7th ed. 2011: 特定の異性に対して他の全てを犠牲にしても悔いないと思い込むような感情を抱き, 常に相手の事を思っては二人だけでいたい, 二人だけの世界を分かち合いたいと願い, それがかなえられたと言っては喜び, 一寸でも疑念が生じれば不安になるといった状態に身を置くこと。
岩波国語辞典: 男女間の恋い慕う情。 (ニュアンスは自分で考えよという立場の辞書)
明鏡国語辞典: 異性同士 (稀に同性同士) が互いに恋い慕うこと, 又, その感情。
フランクな辞書からお堅い辞書, そして一言多い辞書まで色々ある。
タカ: 独自の解釈が素晴らしいと言って欲しい。
(新明解を作った) 山田忠雄先生というのは著作権に関して意識的だった。 自分で語釈を考えようと言って original な語釈を考えた。 魂の辞書である。
Rule: 辞書を使って, 元のお題が分からないような語釈を作成する。
例文: 動物の頭・胴・手足などの全てを纏めたものに, その全体または上半身に纏い付けるものを, 酸素と水素の化合物などを使い, 清潔さ, 純粋さ, 等を失うことを取り去るのに使う, 電流が単位時間にする仕事量など, 天然に存在する, 物体が物理的な仕事をすることの出来る能力を, 機械的に変換する機械に拠って動かす力に変えたものを受け行動の狙いに答えて, 確かにそれと決まっている, 物の動き, 成し遂げるための行為, をするもの。
これは洗濯機の事。
先ずは籤引きでお題を選択。 他の二チームに出題する。
東大生は新明解を取る。 ダンカンは 「学研現代新国語辞典」という金田一春彦, 秀穂親子による教育用国語辞典を手に取っている。
無法松は 「集英社国語辞典」 という百科事典としても使える小型の国語辞典を手に取っている。 一番多くの言葉が入っているらしい。
大神が手にしているのは子供向けの 「小学館例解学習国語辞典」。 全ての言葉に振り仮名が付いている小学生の bestseller.
たけし, 木村は辞書選びで悩んでいる。 広辞苑を手にしている。
広辞苑は収録語数 24 万。 百科事典的項目が充実している辞書界の代名詞的存在。
数学的に言うと因数分解とか展開に当たる。 (展開の方が近いと思う)
(ここで CM)
コマ大の出題: 一定の短期間, 学問・経験・年齢・地位等が, 自分より上の人と呼ばれる, 若しくは上下一対の門歯...
東大生 (松本): 親不知。
(続き) が発達し, 修正伸び続ける細胞壁・葉緑素を持たない生物, 獅子植物の茎や枝の先に...
たけし: 花か?
(続き) 咲いて実を結んだもの。 熱と光とを発して燃えて...
木村: 花火。
(続き) いる状態にあるもの。 クルクルクルクル
たけし: 線香花火。
東大生 (杉山): ねずみ花火。 (これが正解)
(続き) パーン!! 「たまやー!」 「かぎやー!」 の掛け声は通常しない。 どーだ分からないだろ倍返しだ!
東大生: 炭素, 水素, 酸素からなる糖アルコールの一種であるものを主成分とする紅藻の煮汁を凍結したものを原料とした, ゼラチンをとかし 砂糖を加えて固めた状態のものを熱を
ダンカン: アルコール, ゼラチン。 すっぽん鍋。 (不正解)
通して柔らかくドロドロにした中に, 豆の一種とされる夏, 黄色で超型の花を開く
たけし: ナタデココ? 違うな。
木村: そういう感じの, 日本の伝統的なお菓子... あ, 羊羹? (両方とも不正解)
一年草の種を煮潰し, 熱帯, 亜熱帯地域で栽培するイネ科の多年生植物から採る甘みの強い調味料を加えた食品を入れ, 纏まりのある形にし, 冷やした, 生きる為に毎日習慣的に行う以外に食べる, 嗜好本位の (食べ物)。
木村: 水羊羹 (正解)
たけし & 木村: 温度や気圧の差で起こる空気の流れによって,
東大生: エアコン
ダンカン: ゲリラ豪雨
東大生: 台風 (全て不正解)
中に下がっている舌が人間の聴覚の範囲内の振動数を編み出し, 中を空にした, 独特の艶がある鉱物や, 石灰や炭酸ソーダを高温で混ぜ冷やしたもので, 主に人の心を癒すもの。
(直ぐに分かっちゃうかと思ったが, 意外にもつなとたけし)
(ここで CM)
たけし: おいら優秀だな。
ヒントは季節。
ダンカン: 風鈴 (正解)。
たけし: 上手いこといったな。
コマ大金田一賞はたけしに。 (徐々に分かって行く気持ち良さが感じられたから)
次回の問題: 空気を入れた風船が, 紐で容器の底に結び付けられて水に浸かっている。 この容器を秤に載せて紐を切った直後, 秤の表示はどうなるか。
(増えるかな?)

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