たけしのコマネチ大学・数学科の第五十九回目。 (2007 年度十八回目)。
問題: 五回に一回の割合で忘れ物をする癖のある人がいる。
A, B, C, D の四箇所を回って家に帰ったとき, 忘れ物をしたことに気が付いた。
二番目の B に忘れてきた確率を求めなさい。
但し忘れ物をしたのはどこか一箇所だけである。
テーマ: ベイズの定理。
戸部アナ, おでこ全開。
たけし: 確率大っ嫌い。
コマ大: コマ大生, 好きな定理といえば。 僕が好きなのは三平方の定理。 はい。 僕はやっぱりあのフェルマーの定理。 なるほど。 僕が好きなのは豚骨ラーメントッピング全部入り背脂こっ定理 (こってり)。 コマ大〜ファイトファイトファイト。
タカ: 今回は噛まずに全部言えたということで。
モンティーホールの問題の紹介。
ここで問題公開。
タカ: こいつは絶対駄目な奴だ。
コマ大: 五枚のカードで実験。 ダンカンが回数を確認すると 816 回。 王貞治さんの記録 868本を抜いてはいけないと, 検証はここまで。 (と表向きは言っているが, 実は疲れたので止めた) 検証時間 8 時間 3 分
たけし: 無駄だったな。
解答:
コマ大: 184/816 ≒ 22.5% (渋谷のホテル街で入ろうと言って, 嫌よと断られる確率。
たけし: 約 27%. (説明は合っていると思うのだが, 確率計算が?)
東大生: 100/369 (≒ 27.1%)
A で忘れ物をする確率 1/5 = 125/625 (これは A では忘れ物をした確率で, B, C, D で忘れ物をしたかしないかは問題にしていない場合の確率である。 つまり極端な場合, A, B, C, D の全てで忘れ物をした場合も入っている).
B で忘れ物をする確率 (は A では忘れ物をしていないというのが前提にあるので) (4/5)×(1/5) = 4/25 = 100/625 (だが, これは A で忘れ物をしないで, B では忘れ物をした確率で, C, D でも忘れ物をしている場合も入ってしまっている).
以下同様にして C: (4/5)×(4/5)×(1/5) = 16/125 =80/625. D: (4/5)
3×(1/5) = 64/625.
忘れ物をしていない場合の確率: (4/5)
4 =256/625.
以上の確率を足すと 1 になる (でも二箇所以上で忘れる場合もあるはずだから, 全部足して 1 になるという時点でおかしい)。 忘れ物をしないというのはあり得ないので, 100/(625 - 256) = 100/369.
正解: 100/369。
解説: 東大生と同じことを繰り返した。(ここで, 一度忘れ物をしたらもう出来ないという条件を突然提示)
モンティホールの問題の解説。
ベイズの定理の応用: 競馬予想, O. J. シンプソン (書いてあったが説明なし), SPAM mail の除去。 (何だか牽強付会のような気がするのだが)
賞は先に答が出ていたということで東大生。
たけし: 確率ってのはどうも煮え切れないね。 (同感である)
次回は 「期待値」。
これは実は, 問題がいけない。
(1) 忘れ物をしたという条件の下で, B 一箇所で忘れ物をした確率
なのか
(2) 一箇所で忘れ物をしたという条件の下で, それが B だったという確率
なのか, この書き方でははっきりしない。 はっきりさせる為には 「但し」 という書き方をしてはいけないのである。
しかも, 正解として示したものは 「忘れ物をしたという条件の下で, A では忘れ物をしなかったが, B で忘れ物をした」 という確率である。
因みに (1) は (1/5)(4/5)
3/(1 - (4/5)
4) = 64/369 で, (2) は 1/4 である。
ここでの議論を見ると, どうやら, 次の問題が元らしい。 明らかに, 忘れてきたものが最初から指定されているので, 今回扱った物とは全然違う。
問題
5 回に 1 回の割合で
帽子を忘れる癖のあるK君が, 正月に A, B, C 3 軒をこの順に年始回りをして家に帰ったとき, 帽子を忘れてきたことに気が付いた。
2 番目の家 B に忘れてきた確率を求めよ [’76 早稲田・文]
解答
A, B, C で忘れるという事象をそれぞれ A, B, C とし (例えば B は, A の家で忘れないで B で忘れる, ということ), 3 軒のうちのどこかで忘れるという事象を X とすると, 求める確率は,
P
x(B) = P(X∩B)/P(X) = P(B)/P(X)
ここで, P(A)= 1/5, P(B) = 4/5・1/5, P(C)= 4/5・4/5・1/5
であり, P(X)はこれらの和であるから, P(X) = (25 + 20 + 16)/125.
よって P
x(B) = (20/125)/(61/125) = 20/61 (< 1/3)
※注 それぞれの家で 5 面体のサイコロ (目の数は 1〜5) を振り, 初めて 1 の目が出る家で忘れるものとすれば, 全事象として 5
3 通りが考えられ,
n(X) = 5
3 - 4
3 = 61, n(B) = 4・1・5 = 20.
[大学への数学 解法の探求・確率 より]
下手に直さないで, このまま出せばよかったのだ。
そうでなければ, 「帽子」 を 「時計」 とか 「傘」 にする位にして 「正月に」 とかいうのを削ればそれで十分だったのに。

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