雑誌かなんかで, これに直ぐ答えられるかどうかがなんかの基準だとか何とか出ていた。 で, 大人でもこれに直ぐ答えられる人はどの位いるのか。 勿論, こんなの即答だろ? と思っている人も沢山いるだろう。
最初のやり方は極普通のやり方で, 基本となるのは 4×25 = 100 ということ。 暗算で出来ない人は電卓を叩いて確認していただこう。 我々は十進法を使っているので, このように 10 とか 100 とか 1000 とかの約数を覚えているのは重要である。 この他に勿論この三倍の 75 = 100×3/4 とか, 8×125 = 1000 なんかを覚えているといいだろう。
さて, この事実, つまり 4×25 = 100 というのが分かっているとすれば, 24 = 4×6 というのに思い当たるであろう。 ここまで分かれば 25×24 = 25×(4×6) = (25×4)×6 = 100×6 = 600 となるのである。 ここでは掛け算の結合法則 associative law というのも使っていることが分かる。
もう一つは, こういうことは多分想定していないとは思うが 24 = 25 - 1 という事実を使う。
こちらは一寸面倒かもしれない。 先の事実を用いれば 25×24 = 25×(25 - 1) = 25
2 - 25 ということが分配法則 distributive law から分かる。 さて, 25
2 = 625 である。 あとで説明するが, 25 の十の位が 2 であることから, 2 の次の数 3 と掛け算して 2×3 = 6, これ百の位にして 25 を足すと 625 である。 こういう風にして, 一の位が 5 である整数の自乗は簡単に計算できる。
このことを知っていると, 25×24 = 625 - 25 = 600 というのもあながち悪い計算方法ではない。 唯, さっきの事実を知っているかどうかというと, 知らない人のほうが多いのではないかと思う。
さて, 一の位が 5 である整数の自乗の計算が, 上に書いた方法で良いことを先ず電卓で確かめてみて欲しい。 35
2 ならば 3×4 = 12 だから 1225, 45
2 ならば 4×5 = 20 だから 2025, 55
2 ならば 5×6 = 30 だから 3025, 65
2 ならば 6×7 = 42 だから 4225, 75
2 ならば 7×8 = 56 だから 5625, 85
2 ならば 8×9 = 72 だから 7225. もうこれで終わりかと思うと, もっと大きくても成立するので 95
2 ならば 9×10 = 90 だから 9025, 105
2 ならば 10×11 = 110 だから 11025. これ以上になると, 段々次の数との掛け算も暗算では出来なくなってくるので止めておく。
証明は案外簡単である。 小学校高学年位なら理解出来るんじゃないかと思う。 まあ全員が理解できるかは疑問だ (高校生だって理解出来ない人は沢山いるだろう)。
先ず最初の数の十の位を n としよう。 この n は整数で 0 以上で良い。 そうすると最初の数は一の位が 5 というのが前提だから, 10n + 5 と書ける。
次に中学三年で習う乗法公式を用いるが, 知らなくても分配法則を三回程使えば分かるように (10n + 5)
2 = (10n)
2 + 2×10n×5 + 5
2 = 100n
2 + 100n + 25 = 100n(n + 1) + 25. つまり 100 は桁を二つずらしているだけだから, 25 の上に書くべきなのは n(n + 1) つまり 「十の位の数とその次の数を掛けたもの」 というのが成立するわけである。
と言うわけで単なる掛け算だが 25×24 は案外奥が深い。
まあ, こんなの数学じゃない, と言われたらそれで終わりだけれど。
ついでだから訊いておくけど 125×124 は即答出来る?

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