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ブログ開設2010年3月
By HIRAI Sapporo, Hokkaido, Japan
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2022/6/21 6:00
望遠鏡の赤道儀モータードライブ用電源として使っていた携帯バッテリー(ポータブルバッテリー)が劣化したので、新しいバッテリーに買い換えました。
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左の赤色バッテリーが8年前から使っていたもので、右の黒っぽいのが新たに購入したバッテリーです。
赤色バッテリーは、2014年に大型DIY店で購入。重さ7.4kgと重く、カタログ値によると容量17Ah、DC12V/12A、AC100V/100Wとなっています。
黒色バッテリーは、2022年6月にAmazonから購入。重さ3.1kgと軽く、カタログ値によると容量16.8Ah/14.4V(241.9Wh)、DC12V/10A、DC5V/2.4A、AC100V/200Wです。
赤色バッテリーは、2022年になってから赤道儀のモーターが動いたり動かなかったり動作が不安定で、充電時間も長時間になり、すぐに放電してしまうことから寿命を迎えたようです。
新しいバッテリーは古いバッテリーの重さの半分以下。
レンズの結露防止ヒーター用USB出力端子も付いていて、バッテリー残量が%で表示されるほか、消費電力も表示されるので便利です。
なお、赤道儀モータードライブを使い恒星時追尾のときの消費電力は3Wから4Wだったので、計算上は60時間から80時間ほどバッテリー駆動できることになります。
2022/6/19 6:00
1984年(昭和59年)に製造された古い据付型望遠鏡の目盛環による導入精度を測らせてもらう機会を得ました。
まず、赤緯の目盛環から。
2022年5月から6月にかけ、高度40度以上の10数個の恒星で測定した結果、赤緯目盛環の導入精度は最大で±6分(=±0.1度)ほどでした。
いずれも、読み取り精度3分のバーニヤ(副尺)での読み取り値で、赤緯目盛環はほぼ正確に調整され固定されていました。
次に、極軸目盛環の導入精度測定です。
恒星の南中時刻を目当てに、目盛環の原点位置をクランプして固定。
目盛環の下の光っているステンレス製レバーがクランプです。
s220618
極軸目盛環をクランプしてもスリップしやすいことから、念のため黄色の原点シールを貼ってから、目盛環の導入精度を調べてみました。
10数個の高度40度以上の恒星で20回以上テレスコープWESTとテレスコープEASTで測定した結果、導入精度は時角で最大±20秒(=角度の±5分=0.08度)ほどでした。
いずれも、読み取り精度が時角10秒のバーニヤ(副尺)での読み取り値です。
赤緯方向での導入誤差が±6分で、極軸回りの赤経方向の導入誤差が±5分ということは、三平方の定理で計算すると±8分ほどの導入誤差があるということになります。
月の平均視直径は角度の31分ほどなので、導入誤差の8分は月の視直径の1/4程度です。
この望遠鏡で天体を目盛環で導入する際の常用使用倍率は100倍で視野は0.4度=24分(視野半径は12分)ということをお聞きしているので、目盛環の読み取りを間違えない限り、昼間でも視野内に1等星をほぼ確実に導入できることが検証できました。
なお、検証にはステラナビゲーターというアプリの恒星位置(赤緯値・時角位置)で導入し判断しています。
目盛環による天体の導入精度は、天の北極からの極軸のズレ・極軸と赤緯軸の接合角度・目盛環の偏心・鏡筒のたわみ・接眼部の偏心・大気差などの要因が合成された結果です。
検証結果をみると、結構優秀な加工精度だと思います。
精巧に作られた望遠鏡の目盛環を使うと、昼間でも恒星が簡単に導入できて気持ちがいいですね。
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