宮古島に来たのは11月21日(木)。島に来てから数日間は天候が悪く、星空に恵まれませんでした。
タイトルの南極老人星というのは、りゅうこつ座のカノープスのことです。北緯43度の札幌からは、カノープスが南中時でも地平線下なので見えません。
この南極老人星は本州でも南中高度が低いため、この星を見た人は長生きするという言い伝えがあります。
北緯25度の宮古島だと、カノープスの南中高度は13度にもなるので、天候さえよければ簡単に見ることができます。
11月25日(月)の朝4時半、ふと目を覚ますと雲の切れ間から星が見えています。
コンデジを三脚にセットし、玄関前で何枚か撮影しました。
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左下がシリウス、左やや上がプロキオン、中央やや下がベテルギュース。
露出15秒、絞りF1.4、感度ISO1600、焦点距離24mm相当、11月25日4時57分に撮影。
カノープスも低空に見えているはずですが、地上の建物と雲に阻まれ見ることができません。雲もどんどん流れて星がほとんど見えなくなったことから、5時20分に撤収。
もう一眠りしようと、5時40分ごろに念のためもう一度玄関先に出てみると、晴れ間が広がっています。
11月25日の宮古島の天文薄明開始は5時41分。カノープスは2時間50分に南中済みで現時点では超低空のはず。
思い切って、近くの来間大橋まで車を走らせ、橋の手前に到着したのが5時50分ごろ。もうすでに天文薄明が始まり、東天が明るくなってきました。
目を凝らして見ると、カノープスが南西の低空で淡く光っています。急いでコンデジを三脚にセットしました。
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撮影時のカノープスの地平高度は僅か2度。右下の明かりは来間大橋です。
撮影後2分でカノープスは水平線上の雲に隠れてしまいました。
露出15秒、絞りF1.4、感度ISO1600、焦点距離24mm相当、11月25日6時01分にコンデジで撮影。
宮古島での航海薄明開始は6時09分、日の出は7時01分でした。
なお、有名な南十字星も宮古島で水平線ギリギリに見ることができます。
時期としては日没後なら春ごろが見やすいです。
どうしても南十字星を宮古島で見たい場合、明け方の薄明直前にだと1月上旬から見え始めます。
1月上旬以降は、見える適時が毎日4分ずつ早くなり、見る時刻さえ選べば6月上旬の夕方まで南十字星を見ることができます。
宮古島では6月中旬から12月末まで南十字星を見ることができません。