2020年7月5日のブログ記事
【 主鏡セルの組立て 】 からの続きです。
2020年7月5日(日)に口径40cm反射望遠鏡の鏡筒を赤道儀に載せる作業をしました。
朝8時から作業を開始。
11時に強力な助っ人、NさんとTさんが応援に駆け付けてくれました。
3人とも組立て作業に必死で、作業中の画像を撮る余裕はありません。

14時過ぎ、40cm反射と15cm屈折を赤道儀に載せることができました。
この画像はNさん提供の画像を拝借しました。
日差しが強く、3人とも日焼けです。
15時過ぎにNさんとTさんが所用で帰ってから、不足したネジを買うため大型DIY店へ。
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主鏡セルの梃子(てこ)部品の取付けを完了し、19時ごろにようやく組立てが完了。
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左が組み上がった口径402mm、合成焦点距離4020mm、口径比10.0、カセグレン式の望遠鏡です。
右にはこれまで使っていた口径15cm屈折を同架させています。
宇治天体精機製の30D赤道儀には、まだ搭載重量に余裕があります。(メーカーによる最大搭載可能重量75kgに対し、57kgの搭載になりました)
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完成記念の撮影中、夕日が雲の切れ間から顔を出しました。19時07分に撮影。
徐々に曇り始め、南東の空に見えるはずの満月も殆ど見えない状況に、ファーストライト(作った望遠鏡で初めて天体を見ること)を諦めました。
22時過ぎ、雲が少しずつ薄くなり始め、満月と木星が見え始めたので、急いで屋上へ。
ファーストライトは木星になりました。
組み上げたままの状態で、光軸調整を全く行っていなかった割には奇跡的にいい見え味です。
カセグレン式の望遠鏡は、僅かでも光軸がずれると酷い見え味になるのですが、偶然とはいえミラクルな見え味に驚きました。
100倍で木星の濃い縞模様が2本、ガリレオ衛星も見えます。
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木星とガリレオ衛星です。22時48分にコリメート撮影。
これから1週間ほどかけて、機械調整と光軸調整を行います。
ところで、この40cm凹面鏡と13cm凸面鏡を古くからの知人、「夢作さん」こと田口さんに鏡面研磨の依頼をしたのは、2013年3月のことです。
その5ヶ月前の2012年10月ごろ、田口さんから還暦記念に60cm反射望遠鏡を作るのなら研磨を引き受けますよと提案がありました。
さすがに60cm鏡はガラス材やメッキ代だけでも高額なので、研磨依頼したのは40cm鏡です。
40cm鏡を受領したのは2014年8月で、それから6年もの歳月が流れてしまいました。
迷光対策に必要な主鏡バッフルや副鏡バッフルの設計に手間取り、高精度主鏡の歪みが少ない保持方法の検討に長期間悩んだ末、本格的に加工を始めたのは2019年10月のことでした。
完成に至るまでの経緯は、こちらをご覧ください。
【 口径40cm反射自作の道のり 】