2019年9月20日のブログ記事
【 ベガの伴星を眼視確認 】 の続きです。
ステラナビゲーター Ver.9 という天文アプリをいじっていたら、夏の大三角を形作るベガ・アルタイル・デネブが連星だという表示が出ました。
2019年9月25日(水)の22時に自宅屋上の望遠鏡をベガに向けました。
この日の札幌は透明度がやや良好で、4等星が裸眼で何とか見えます。
夜空の暗さを測るSQMという装置で測定すると、SQM値は18.01という値でした。
今回のブログ記事は、口径15cm屈折望遠鏡を使用し、3つの1等星の拡大撮影と連星の眼視確認を行った結果を書きます。
iP19092501
口径15cm屈折の接眼部にコンデジLX7を装着し、コリメート撮影中の様子です。
なお、画像は縦横ともに角度の12分角になるよう若干のトリミングをし、上が北になるよう掲載。
共通撮影データ:露出20秒、感度ISO1600、合成焦点距離7900mm。
91240507RTT
こと座のベガです。
270倍でB星とE星を確認。眼視だとB星のほうが明るく感じます。
C星は難物でした。270倍だと確認できず、410倍を使用し主星を視野外に追い出してようやく確認できました。C星は12等級のように感じます。
主星A 光度 0.1等級
伴星B 光度 9.5等級 位置角 183゚ 角距離 80.6秒(2008年観測値)
伴星C 光度11.0等級 位置角 255゚ 角距離 75.6秒(2007年観測値)
伴星E 光度 9.5等級 位置角 39゚ 角距離 88.3秒(2008年観測値)
※ 位置角というのは、主星を原点とし天の北極方向から東回りに測った角度のことです。掲載画像は、北を上にしているので、画像の上方向を起点に反時計回り(左回り)に測った角度になります。
91240505RTT
わし座のアルタイルです。
270倍でB星、C星、E星が確認できましたが、D星は410倍でも確認できませんでした。
主星A 光度 1.0等級
伴星B 光度 9.8等級 位置角 286゚ 角距離192.5秒(2008年観測値)
伴星C 光度10.3等級 位置角 107゚ 角距離188.8秒(2007年観測値)
伴星D 光度11.9等級 位置角 98゚ 角距離 31.2秒(2008年観測値)
伴星E 光度11.0等級 位置角 355゚ 角距離153.3秒(2008年観測値)
91240503RTT
はくちょう座のデネブです。
270倍でB星が確認できました。
主星A 光度 1.3等級
伴星B 光度11.7等級 位置角 105゚ 角距離 75.5秒(2008年観測値)
おまけの画像です。
91240510RTUCA
こと座の環状星雲M57です。視直径は83秒X59秒。
露出や拡大率などの撮影条件はベガ・アルタイル・デネブと同じにしてあり、9月25日22時43分に撮影。
3つの1等星の連星を確認した翌日の9月26日(木)に、以前から欲しかった書籍がイギリスから届きました。
次回のブログ記事は、この書籍のことを書く予定です。