オリオン座の1等星、ベテルギュースとリゲルの明るさを比べた場合、どちらが明るいと思いますか?
ほとんどの書籍にはリゲルのほうが明るいと書いてありますが本当でしょうか?
実際に自分の眼で確かめてみると、
明らかにリゲルが明るいと私が感じることは少なく、
@ リゲルのほうが少し明るい
A リゲルとベテルギュースはほぼ同じ明るさ
B ベテルギュースのほうが少し明るい
私の場合、見る時期やその日の体調などによって@ABが混在します。
なお、リゲルは白っぽく、ベテルギュースはオレンジ色に近い色に見えるため、光度の比較は個人差がかなりあると思います。
そこで、2016年1月23日(土)の夜に眼視で観察すると、この日はリゲルがやや明るく、ベテルギュースのほうがやや暗く感じました。
それぞれの星を同じ条件で拡大撮影してみました。
口径15cmF7.3屈折、ED1.5×エクステンダー、SV42mm接眼鏡、コンデジLX7によるコリメート撮影。感度ISO800、コンデジの焦点距離135mm、合成焦点距離5300mm、画像は南が上。
71210478
ベテルギュースです。露出1秒、20時12分に撮影
71210460
リゲルです。露出1秒、20時08分に撮影
それぞれの星をわざとピンボケにし、モノクロモードによる3段階の露出で撮影してみました。
撮影時刻はベテルギュースが20時15分、リゲルが20時17分です。
ベテルギュース
71210500,501,503
露出1/30秒 露出1/60秒 露出1/125秒
71210512,513,515
リゲル
撮影時におけるベテルギュースの高度は約52度、リゲルは約38度でした。
大気の減光による影響はリゲルのほうが0.1等級ほど暗くなるはずですが、その補正を考慮しなくても1月24日の夜はリゲルのほうが眼視だとやや明るく感じ、モノクロ撮影でも同様でした。
2016年版天文年鑑185ページによれば、ベテルギュースの光度は0.0等級から1.3等級まで明るさが変わる半規則型変光星となっています。
2016年版天文年鑑295ページによれば、リゲルの光度は0.12等級なので、場合によってはベテルギュースのほうが明るく感じる場合もあるはず。
両星の色温度の感じ方も個人差があり、ベテルギュースの変光範囲も変わることも考えられるので、実際に観察してみると面白いですよ。