望遠鏡の支柱を昇降式にする前は、屋根を閉じたままの観測室内の気温は外気温よりも平均して4℃ほど高い状態でした。
望遠鏡と外気温がほぼ同じでないと見え味が悪くなります。
4℃程度の温度差であれば、屋根を開け口径15cmの望遠鏡を外気温に30分ほど馴染ませれば、望遠鏡本来の性能が発揮できていました。
ところが、2014年9月に昇降式支柱を完成させてからは、温度差が平均して9℃ほど高い状態になってしまいました。
必然的に望遠鏡が外気温近くなるまで時間がかかるようになってしまったのです。
また、支柱の隙間から昇る気流が対物レンズ前を通るようで、星像に悪影響を及ぼしていました。
観測室の下から漏れてくる暖気上昇気流を防止するため、支柱開口部を塞いだのは3月16日。
その様子は
【 観測室の気流改善1 】 に書きました。
開口部を塞いだ3日後の3月19日の夜、開口部を塞いだ効果を検証してみると、屋根を締めきったままの室内温度は外気温よりも4℃高いだけでした。
さらに観測室内気流の低減を図るため、3月30日に支柱外筒と内筒の隙間を布切れで覆うことにしました。
710600876
隙間を覆う前です。
710600871
黒い布切れで外筒と内筒の隙間を覆いました。
当初は板で覆う予定でしたが、製作が難しかったので取り合えず簡単な方法にしました。
これで以前とほぼ同様の穏やかな室内気流に戻りました。
一般木造住宅の屋上に設置した望遠鏡なので、階下の人間の動きや風の影響で多少の微振動がありますが、お気軽に星見ができる環境を大事にしたいと思います。