今年最初の天文指導員研修が1月17日(土)に開催されました。
この日の札幌は猛吹雪。
出席できたのは全天文指導員の約5割の20数人。少し寂しい研修になりました。
「指導員」 という名称が付けられていますが、初心者向け天文普及を主眼とした 「星空案内人」 といった位置付けでしょうか。
指導員仲間との話の中で 「星雲星団をどんどん導入したいけど難しいんだよね」 という複数の声があったことから、「星雲星団の導入法」 というテーマで私が説明役を買って出ました。

画像は皆さんの前で説明する私。職員さんが撮影した画像を拝借しました。
天文指導員は天文愛好家 (アマチュア天文家) さんとは立ち位置が少し異なります。
また、現状の天文指導員は天文普及について熱い志は持っているものの、望遠鏡操作が不慣れで経験が浅い指導員も少なくはありません。
そこで、用意したレジメがこちらです。
最後の 「7 導入技能の上達者が留意すべきこと」 とは・・・。
星雲星団の導入がうまくできるようになるにつれ、自分達の導入技能や観察眼の良さを観客に自慢する傾向が出てきやすいので留意してね、という内容です。
これまで、全国各地で開催された天文普及目的の観望会を見学した際、熱心な天文愛好家さんの一部が、知識の押し売りや望遠鏡操作技能の自慢を観客にしてしまう場面がありました。
天文普及という本来の目的からみれば、あくまでも観客が主役。観客が求めるものは何なのかを適切に把握することが肝要であり、技能が上達しても自慢や知識の押し売りは避けるべき、という主旨です。

まだラブジョイ彗星を見ていない指導員が多くいたようなので、街明かりの影響を受ける市街地と空が暗い郊外で見る彗星の見え方の違いについて、実際に撮影した画像を投影して説明し、約1時間のレクチャーを終了。
晴れていたら、室外に出てラブジョイ彗星を各自が望遠鏡で導入するはずでした。猛吹雪のため次回の研修に先送りです。
次回の天文指導員研修は1月24日(土)、つまり今日です。
1月24日の研修では、国立天文台が開発した天文シミュレーションソフト 「MITAKA」 の操作技法を研究します。
研修ではラブジョイ彗星を見るカリキュラムも組まれています。天候はどうでしょうか。