12月27日(土)、日高方面の新冠 (にいかっぷ) 町まで遠征し、明るくなってきたラブジョイ彗星 (C/2014 Q2) を撮影してきました。
なお、今回のラブジョイ彗星は2014年8月に発見された彗星で、1年ほど前に見えた
【ラブジョイ彗星(P/2013 R1)】とは違う彗星ですが、発見者が同一人物のラブジョイさんです。
1人遠征は寂しいので、天文指導員仲間のT.O.さんを誘い、札幌から片道140km離れた新冠町太陽に到着したのが21時ごろ。
天気予報に反し現地は雲が多く、月齢5の明るい月さえも時々しか見えない有様でした。
西空から徐々に晴れてきて、月が西空に沈んでいく様子を眺めていたら、月が沈んでいく付近に光の柱が見えています。
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月が沈む際に見えた光柱です。
太陽でできる太陽柱 (サンピラー) ならぬ月柱 (月光柱、ムーンピラー) です。
画面中央の星は、うお座のι (イオタ) 星です。
焦点距離90mm相当、露出15秒、絞りF2.3、感度ISO1600、21時53分に撮影。
22時過ぎ、雲の切れ間から星が少し見えてきました。
8倍20mmの双眼鏡で、うさぎ座〜はと座を探すと、すぐにラブジョイ彗星が見つかりました。かなり明るく5等星ぐらいでしょうか。
薄いベールのような薄雲のせいで透明度がやや悪い中でも、明るい彗星ですから小さな双眼鏡でハッキリと見えます。
彗星状天体にまだあまり慣れていないT.O.さんは確認するのに少し時間がかかりました。
気温はマイナス6℃ほど。この時期にしては暖かな気温だったのが、透明度が悪かった原因かも。
晴れてきたので、持参した口径10cmF8屈折望遠鏡を組み立てました。
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ラブジョイ彗星付近を見ているT.O.さんです。
画像の上にはオリオン座が輝き、望遠鏡はラブジョイ彗星に向けられています。
雲が少なくなった22時31分に撮影。焦点距離24mm相当、露出10秒、絞りF1.4、感度ISO1600
10cm屈折20倍では尾が確認できませんでした。視直径は約7分と見積もりました。10分ほど観察していると彗星が恒星の間をゆっくりと移動しているのがわかります。
彗星は、はと座からうさぎ座の方へ北上中です。
雲が飛来し、シリウスやリゲルが時々見えなくなる悪条件下でしたが、撮影してみると淡い尾が北方向に出ていることが確認できました。
常時、彗星を覆い隠すような淡く薄い雲がなければ、もう少し綺麗な尾を写すことができたはず。
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2014年12月27日22時54分、口径10cmF8屈折、42mm接眼鏡、デジカメLX7でコリメート撮影。
露出40秒、絞りF2.1、感度ISO1600、焦点距離70mm相当、合成焦点距離1330mm。コントラスト・明度・画像サイズを補整済み。北を上にしています。
全天が曇ってきたことから23時50分に撤収。
途中、厚真という場所に立ち寄り、T.O.さんの希望で星空を背景にしたFacebook 用の画像を撮影し、帰宅したのが深夜3時でした。
なお、今回のラブジョイ彗星は来月2015年1月ごろが明るくて見ごろです。
1月中は、うさぎ座、エリダヌス座、おうし座、おひつじ座、さんかく座と移動していきます。
空が暗い場所なら小さな双眼鏡でもラブジョイ彗星は見えるはず。
ただし、彗星状天体を見慣れていないかたは、正確な位置を星図上で確認してからでないと見るのは難しいと思います。