Σはギリシヤ文字シグマの大文字ですが、ドイツ系ロシア人の天文学者フリードリッヒ・ゲオルク・ヴィルヘルム・フォン・シュトルーベ (1793年−1864年) が作った二重星カタログを示す頭文字として使われることがあります。
Σ1964は、シュトルーベ1964 (またはストルーフェ1964) と読み、春の星座 「かんむり座」 にあるマイナーな二重星です。
二重星と書きましたが、実は三重星として重星マニアには知られていて、6月30日(月)に15cm屈折200倍で眼視観察してみました。
それぞれの星は7〜8等星で3個とも白っぽく見えました。記録に残すために撮影してみると、一番暗い3個目の星は薄い橙色に写りました。
撮影データは、2014年6月30日23時25分、口径15cmF7.3屈折、ED1.5×エクステンダー、6mm接眼鏡、デジカメLX7によるコリメート撮影。露出1/2.5秒、絞りF2.5、感度ISO1600、カメラの焦点距離400mm相当、合成焦点距離111,000mm
71010210
中央が主星(7.2等)、右が伴星(7.6等)、伴星の右下が3個目の星(8.7等)です。
主星と伴星の離角は15秒、伴星と3個目の星は1.6秒ほど離れているそうです。
あれ?、主星のすぐ右側に暗い星が写っているぞ。
撮影レンズによる主星のゴーストかもしれないので、主星を写野の右に寄せて写してみました。
71010214
23時26分に撮影したΣ1964です。
やはり、4個目の星は存在しているようです。10枚ほど撮影した画像全てに4個目が写りました。Σ1964は【かに座Zeta星】に似ています。
今度はデジカメをはずし、眼視で200倍から400倍まで倍率を変え確かめてみました。3等星までしか見えない市街地では口径15cmだと4個目の星を見ることはできませんでした。
暗い空で口径20cm以上の望遠鏡を使い確かめる必要がありますね。
詳しい文献で調べてみると、主星はA星、伴星はC星、3個目の星はD星、4個目の星はB星ということがわかりました。A星とB星の離角は1.3秒だそうです。B星の明るさは書いていませんでしたが、恐らく10等星ぐらいだと思います。
これだから、重星は実際に見てみないとわかりません。この夜(6月30日)は21時まで金属加工を行い、22時から10個ほどの二重星を2時間ほど楽しみました。
次回のブログ記事は、さそり座のアンタレスについて書く予定です。