2014年3月27日の記事
【Zeta Cancri part2】の続きです。
かに座ゼータ星を色々と調べていくうちに、分解能が驚異的な画像を見つけました。これです。

By J.B. Hutchings Herzberg Institute of Astrophysics, Victoria, Canada
これは、ハワイのマウナケア山頂に設置された Canada France Hawaii Telescope (CFHT)の口径360cm大型反射望遠鏡を使用し、2000年2月に撮影されたかに座ゼータ星で、白黒反転の画像です。

CFHTのノーマル画像を白黒リバースし、望遠鏡で見るように北が下になるよう180度回転させて掲載し直しました。
見ておわかりのとおり、右下の星がC星とD星に分離しています。
左上のA星とB星の角距離は撮影時の2000年2月時点だと0.83秒とわかっています。パソコンのディスプレイ上に定規をあてがいA星とB星の長さを測り、比例計算でC星とD星の角距離を求めると、0.3秒ほどになりました。
元画像に付けられたCFHTの説明文では、C星とD星は27年周期で公転していて、撮影時の角距離は0.3秒と書いてあります。
ところが、ワシントン海軍天文台の二重星軌道要素表には、かに座ゼータ星の軌道要素として、A星−B星、AB星−C星、Ca星−Cb星の3組だけしか掲載されていません。
Ca星とCb星の軌道要素をみると、公転周期は27年、2000年の角距離は0.17秒、位置角は264度と計算できたことから、「Ca星とCb星」 は画像にある 「C星とD星」 と違うようなのです。(画像のC星とD星の位置角は90度前後で角距離は0.3秒ほど)
いずれにしても何かが変なので、現在調査中です。もし、お分かりの方がいらっしゃましたらご教示いただけると幸いです。