【2013年4月12日の記事】で、口径50cm反射を使いコリメート撮影した 「うみへび座の銀河M83」 を紹介した際、 「17等台の星も写っているはずですが、暗すぎるので私が使用している星図ソフトだと確かめようがありません。」 と書きました。
限界等級を調べる方法がないものかと札幌市白石区のアストロショップAUさんに相談したところ、ステラナビゲータ9という星図ソフトを使い USNO-A2.0 という追加恒星データをオプションで付け加えると調べられることがわかりました。
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どうしても極限等級を知りたかったので、USNO-A2.0 星表をアストロショップAUさんで購入。早速インストールしてみました。なお、ステラナビゲータ9は2012年9月に購入済みです。
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ステラナビゲータを使用し、M83の周辺の20等級までの星を拡大表示させたハードコピー画像です。表示されたM83のイメージは実際のイメージとかなり違うようです。(C)AstroArts.
宮古島天体観測所の50cm反射を使用しコリメート撮影した画像の極限等級をステラナビゲータを参照し調べてみました。
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ご覧のように17等級は確実に写っていて、18.11等級まで写っていることが確認できました。デジカメLX5の最長露出時間の250秒でこれだけ写ってしまうことに驚きを禁じ得ません。
なお、A,B,CはM83の近傍にある暗い銀河です。
A PGC048132 15.98等級 視直径 0.94分×0.33分
B PGC724525 16.66等級 視直径 0.71分×0.34分
C PGC722819 16.74等級 視直径 0.75分×0.33分
一眼デジカメや冷却CCDカメラのような高価な器材を使わなくても50cm反射を使えば18等級の暗い星がコンパクトデジカメを使ったコリメート法で写せることがわかりました。
このような暗い天体の撮影と調査が個人で簡単にできてしまうことに時代の流れを感じます。
なお、口径7cm屈折のコリメート撮影では、14〜15等級の星まで写せることを確認しています。