“SSS”;「サイド・バイ・サイド・バイ・ソンドハイム」
ご覧になってくださった方から、沢山感想メールいただきました。
ありがとうございます!
自分も全くの裏方は初めてでした。
しかし、やはりプレイヤーですから、「二度はしない」、「私は生きてる」「ブロードウェイ・ベイビー」など、自分で演じながら、CDを聞き、実際に歌いながら訳しておりました。
すんなり書きあがったのも中にはありましたが、ほとんどの曲で言葉が浮かばず、まさに産みの苦しみでした。
とりわけ一番最後に訳した「私は生きてる」が、よりによって最大の強敵で、名古屋のホテルで「うんうん」うなりながら訳しておりました。
支配人が心配して産婆さんを呼んでくれたほどです。
(んな、アホな・・・!)
ホームレスから這い上がり、トップに上り詰め、また、落ちぶれていく銀幕のスターの話です。
四つのパートに分かれるのですが、二番目のパートには、監督名、映画名、女優名など(多分アメリカでは有名なのでしょうが)日本では全く知られていない固有名詞のオンパレードです。
しかも、全パート、辞書に載ってない専門用語、スラングが頻発です。
譜面に向かった初日は全くのお手上げでした。
しかし、“I 'm still here”「私はまだここにいる」の通り、主人公はたくましく生きています。
どんな仕打ちを受けても「どっこい、私は生きてるわ!」、こんな内容です。
英語だけ読む限り、彼女のたくましさに感動を覚えました。
ようやく二日目、(「十二夜」一回公演の後・・・ふう・・・)鉛筆を握りました。
パート2の固有名詞の羅列部分は、そのままカタカナにしても全くピンとこないので、全編創作しました。
苦労したのがいきなりパート1の下記部分;
A) I 've slept in @shanties guest of W.P.A
But I 'm here
B) Danced in myA scanties three bucks a night was
my pay
But I 'm here
直訳すると
A) ボロ小屋に寝て、公共職業安定所の常連だったけど
でも、私は今もここにいるわ
B)
パンティー1枚で踊って、ギャラは一晩3ドル
でも、私は今もここにいるわ
@の「シャンティー」:ボロ小屋 と、Aの「スキャンティー」:パンティーが韻を踏んでいます。
この条件で、どちらも4小節の音符に入れ、しかも、日本語のアクセントを考慮し、小節の頭に言葉の強拍がこなくてはなりません。
ゲロ吐きそうなぐらいうなって出した言葉が;
A) ぶらついた 職安、今日もまた わたし
B) ブラはずし 一晩、3ドル たった
だった訳です。
チラッと読めば、ちょろっと聞けば、まったくもってどーってことない、こんな二行に、ない頭は一体どれだけ労力を使ったことでしょう。
こんなのが、31曲中31曲、山ほど出てくるわけです。
わたしって、偉いですよね!(笑)
しかし、終わってみれば本当に楽しい仕事でした。
色んな方に
「はるパパが歌えばいいのに」
と、言われました。
ちょっと、お待ち下さい。
わたし、この31曲、ぜーんぶ演じながら、CDにあわせて実際歌いながら訳したのですよ・・・
じっとしていられるわけがありません!!
いずれ、何曲かライブで歌うつもりです。
もちろん、あの過激な「二度はしない」も、マダムになって歌うつもりです!
どうぞ、お楽しみに!!
血と汗にまみれた私の譜面


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