昔昔、あるところにひとりのおばあちゃんが住んでいました。
年金暮らしですが、みんなに好かれる優しいおばあちゃんです。
おばあちゃんは一匹の外猫を飼っていました。
おっとりとした性格の可愛い三毛猫、名前はオボコ(仮名)です。
あるとき、おばあちゃんがオボコに朝ご飯をやっていると、オボコはいつになくがっついて食べています。
見れば心なしか太ったよう…
おばあちゃんの頭にいやな予感が走りました。
「おまえ、まさか…」
オボコはギクッとして、ヒョーと耳を伏せます。
おばあちゃんは続けて問いただしました。
「…まさか、青西くんとまだ付き合ってるんじゃないだろうね!」
オボコはますます耳をヒョーとして、背中を丸めました。
青西くん(仮名)とは近所でも評判のイケメン長毛猫、トンカツ屋「カツン」のお坊ちゃん猫です。
ふさふさのロン毛、精悍な高い鼻、憂いを帯びた切れ長の目、街中のメス猫が青西くんに夢中なのでした。
「オボコちゃん…青西くんは良い子だけど、問題はどのメス猫にも良い子だってことなのよ…!」
オボコの肉球から汗がふき出ます。
「なんなの、そのお腹は!」
おばあちゃんはオボコのポッコリふくらんだお腹を指差しました。
オボコは急に毛繕いを始めます。
「ごまかしたってダメよ!」
オボコはまた耳をヒョーと伏せました。
「あなた、子供ができたんでしょ!」
とまあ、こんな感じで、オボコちゃんは玉のような赤ちゃんを三匹産みました。
美形の三毛猫とイケメン長毛猫の子供です。絵に描いたような美形子猫です。
オボコちゃんは二度と未婚の母にならないよう、不妊手術を受けました。
本当は「どのメス猫にも良い子」、青西くんをなんとかしなくちゃいけないのですが、ニャンニャンコンサートが忙しいのでしょうか、なかなかつかまりません。
ま、彼のことはおいおい手をうつことにしましょう。
年金暮らしのおばあちゃんに子猫三匹の面倒は無理です。
そんなこんなで、オボコ・チルドレンは我が家にやってきました。
しかし、なんという可愛さでしょう!
私が今まで見た子猫たちで、おそらく五本の指にはいる愛苦しさです。
それではご紹介しましょう。
ギズモ、チャモ、ニモ!
左がギズモ。
右がチャモ。ふたりは女の子。
男の子のニモ。
三人揃ってギズモ・ブラザーズ!
彼らは人間を怖がり、まだ抱っこすることもできません。
子猫担当クロード始め治田家猫たち総力をあげ、ただ今社会復帰訓練中です!
PS
「マイフェアレディ」お申し込みありがとうございました。
一次募集は締め切らせていただきましたが、二次募集を来年二月にやるつもりです。
しばし、お待ちくださいませ!

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