「十二夜」稽古の真っ最中に、またひとつ仕事を引き受けてしまいました。
なんと、「役者」ではなく「訳詞」なのです。
しかも、敬愛するあのソンドハイムの歌詞なのです!
それも36曲!!
親友の池田くんがプロデュースし、出演する「サイド・バイ・サイド・バイ・ソンドハイム」の訳詞です。
ソンドハイムの詩の魅力というのは発想の面白さ、言葉の美しさ、そして、巧みに散りばめられた「韻」にあると思うのです。
頭韻、脚韻はもちろん、ときには駄洒落(だじゃれ)的な言葉遊びが頻繁に出て来ます。
今回、訳すに当たって、わたしはできるだけこの「言葉遊び」を日本語にも生かしたいと思いました。
しかしながら、一小節に放り込める言葉の量が、英語と日本語では格段に違います。また、強拍に言葉の頭を持ってこなくてはなりませんから、使える語彙は相当限られてきます。
と、まあ、かなり言い訳じみてきましたが、とにかく、そんな志だけは大きく持ち続け、訳しています。
意味を忠実に伝えるより、リズムを大事にした方が良い事が多々出てきます。そうすることによって、自身が作曲したメロディーとぴったり合うようにソンドハイム氏は書いたのだと思います。

(左がソンドハイム氏、右は劇作家ジョン・ワイドマン氏)
・・・と、まあ、偉そうなことを言ってますが、理想と現実はほど遠く、譜面に向かって毎朝・・・夜は「十二夜」稽古でくたくたになって、何もする気がおきず・・・毎朝、言葉という言葉が頭の中で渦を巻き、もう、発狂しそうです。
先月に続き、またまた「産みの苦しみ」であります・・・
しかし、これがひとたび調子に乗ってくると、次から次へと言葉が生まれてきて、あれよあれよという間にできあがります。
多分、自分で演じながら訳しているからでしょうね。
学者じゃなく、役者が訳す強みみたいなもんです。
まあ、そうそうあることじゃないですけど・・・(笑)
苦しいけど、実はとても楽しい作業です。
本番は「十二夜」岸和田公演で観にいけないけど、皆様ぜひ、ご観劇くださいませ!
そして、ソンドハイム氏からお借りした私の言葉を聞いてください!!
(膨大な量の譜面・・・)

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