映画を見始めて五分経ち、「あと五分だけ我慢しよう」、と思ったら、まず間違いなく、そこで止めといた方がいい。
この映画は、1時間55分分経って、「あと五分しかない」・・・そう思った。
以前やった芝居で、「きみはロマンティストだ」っていう台詞を私は吐いた。私はこの台詞が大好きだ。
何故なら・・・笑っちゃダメだよ・・・私はロマンティストだからだ。(笑)
(せやから、笑ろたあかんて!)
この「アデライン」という映画、交通事故に遭って永遠に年をとらなくなった女性の物語だ。
それだけ聞くと、「ええぇーっ・・・!」って引く方も多いと思う。
かく言う私がそうだった。
でも・・・
始まって二分・・・もう、うっとりと画面にくぎづけ。
言葉、仕草、目線・・・ディテールを丁寧に、実に丁寧に作っている・・・!ペットの犬とのふれあい、アルバム、娘との関係・・・なんて繊細なんだろう、この脚本家!
で、役者がいい。
主演のブレイク・ライブリーとハリソンフォードのシーンなんか、鳥肌ものにロマンティック!
それから娘とのシーン・・・素晴らしい・・・!
下の写真、左が娘で、右がママ。
娘を演っているのはエレン・バーンスタイン。あれ、どっかで聞いた名前だな・・・と、思ったら、フリードキンの「エクソシスト」でママをやっていた女優だ!
ビデオのない時代、映画館に通って何度も観た・・・
ああ・・・なんて素敵に歳をとってるんだろう!
そう、この映画のテーマは「年をとる素晴らしさ」。
だから、ラストシーンなんか、あんまりロマンティックで、思わず画面に拍手した。「パーフェクト!」
明石家さんまさんがこんなことを言ってる。
「死ぬ時にわくわくしたいねん」
自分も人生の後半、勉強には苦労を惜しまないが、生き方にはわくわくしたい!
芝居に、歌に、文章に、猫に、料理に・・・
人生をうんと楽しみたい!
妥協せんと、今を目いっぱい生きることやで!


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