うちにふうちゃんっていう猫がいてね、彼女が凄いのはその類まれなる「無抵抗主義」だったんですよ。
何をされてもされるがまま、獣医さんをして「こんなに手のかからない子はいません!」と驚かれるほど。薬はすんなり飲むし、注射も打たれるがまま、鍼灸だって目とか鼻の傍に鍼を打たれても一切動じませんでした。
ふうちゃんは肝臓や腎臓の数値がとても悪くて、生きているのが奇跡と思われるほどでした。
でも、ガツガツご飯を食べ、16年も一緒に暮らしたのです。
ふうちゃんは去年の夏、「ピノキオ」の最後の稽古休みに逝きました。休みの日を選ぶなんて、本当に立派な猫です。
おかげできちんと見送れました。
不思議だったのは私もかみさんも泣かなかったことです。
「ふうちゃん、ご苦労様、頑張りました。ありがとうね」
とても穏やかな気持ちで彼女の死を受け入れられたのです。今までだったら泣き崩れ、心にどっかんと大穴空いたのに、初めてでした、こんな心境。
人生には「時」っていうのがあると思うんですよ。
「今はそういう時だ」の「時」です。
そんな「時」に気がついたら、抗うよりも受けとめる方がいいんじゃないか・・・ふうちゃんの生き方を振り返ると、そんなふうに思えてくるんです。
もちろん、負けるもんか!って気合い入れることも大事だと思います。でも、それは「負けるもんかの時」なんですよ、きっと。
先日ね、甥っ子が遊びに来て、レッグマジックサークル見て、やりたいって言うんですよ。
で、やらせたら、あいつ少林寺拳法やってる高校生なんですけど、けっこう苦戦してたんです。
あ・・・勝った!なんて、思っちゃいました。
高校生と勝負してどないすんねん!なんですけどね。
日課でやってるからなんですよ、体力落ちないのは。
継続は力です。声も新しい発声法に取り組んでからどんどん変わってきています。
そう、だから、それだけやっていれば、あとは全部、時に任せればいいんじゃないかな、ふうちゃんみたいに。
自分は書くことが好きだから、今、いっぱい書きためています。
巷ではいろんな団体が公募しているんですよ、エッセーとか論文とか。いくつか応募してみました。とても楽しいです。
「学ぶ」と言うことをテーマにしたエッセーをとある所が公募していました。
書いてみようと思うんです。
猫たちから学んだこと、山ほどありますからね!


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