日本のドラマって凄い!
「白い巨塔」と「白夜行」に打ちのめされたばかりなのに、次は「のだめカンタービレ」、笑って笑って大泣きした。
絵に描いたようなイケメン主人公が落ちこぼれの音大生を指揮し、エリート音大生たちとベートーベンの交響曲で勝負するって話。
原作は漫画らしいんだけど、作者が半端なく音楽に造詣が深いから、エピソードにいちいち説得力がある。
この主人公、「作曲家の意図に敬意を払い、譜面に忠実に!」って言いながら、最後は落ちこぼれたちの自由な感性に任せる。
その自由な感性が花開いた瞬間、もう、鳥肌ものの感動なのだ!
画面に大拍手しながら、涙ボロボロ流した。
音楽って素晴らしい・・・ああ、おれも音楽にかかわる仕事がしたい!!
・・・あ、やってるか・・・
おれの職業ってすげえぞーっ!!!って、心底思った。
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昨日はご近所の方たちと忘年会、楽しい年忘れだった。
おれはこの宴で料理一品と、宴会芸一曲を用意した。
料理は皆さんにふるまうためだが、一曲はお隣の奥さんのためだった。
ここへ越してきて11年、彼女は引っ越しの挨拶するなり「治田さん、ピアノいらない?」って、まるで、おれの職業を見透かしたプレゼントをしてくれた人。
「電子ピアノ買ったからね、もういらないのよ」
あけすけで、豪快な奥さん。割れ鍋にとじぶたでご主人は温厚で物静かな紳士。
本当に素敵なご夫婦。
そのご主人が今年、癌で亡くなった。
だから、選んだ曲は♪「・・・どこまでやれるか、自分を試したいの、そうよ変わるのよわたし・・・ありのままで空へ風に乗って、ありのままで飛び出してみるの、二度と涙は流さないわ!」そう、「アナ雪」の“Let it go”だ。
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宴会芸だけど、そこはプロ、山のように準備して臨んだ。
でも、5回歌ってちゃんと歌えるのは一回ぐらい。
この唄、めちゃくちゃ難しくって、っていうかアメフト並みの体力が必要で、女性の唄だから原曲より4度下げてオクターブ上で歌ったのだが、一番高い音が「二度と涙は・・・」の「二」でB、「度」がG♯で「と」がF♯、そう、全部五線譜の上で、ハバネロとマスタードと唐辛子を一気食いするような歌(意味分からん・・・)なのだ!
でも、「のだめカンタービレ」を見た後だったし、めっちゃくちゃ気合い入れて、でも、しっかり楽しんで歌った。
音楽って素晴らしい。
ご近所住人十数名集まった忘年会、みんな喜んでくれた。
お隣の奥さんも「ああら、良かったわよ」って感じ。
忘年会会場のご主人はバイオリニスト、奥さんはピアノが弾ける。
お二人の素晴らしい伴奏で「誰も寝てはならぬ」も歌った。
音楽って素晴らしい。
「のだめカンタービレ」見てて、ああ、おれも音大に行きゃ良かった!、ピアノ習っときゃ良かった!!ちゃんとクラシック勉強しときゃ良かった!!!、なんて思ったけど、でも・・・
今の職業選んで良かった。
新劇じゃなくて、ミュージカルで良かった。
音楽って素晴らしい。
還暦過ぎたけど、
もっともっと勉強して、
もっともっとお稽古して、
音楽をうーんと抱きしめたい!!
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♪「光浴びながら、歩き出そう!・・・少しも寒くないわ」


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