猫はとても神聖な生き物です。
古代エジプト人は神の使いとして崇めました。
猫にまつわる不思議な出来事、私は山のように目にしてきました。
目から真珠の珠を出した故がんじろう、以前の飼い主が骨髄腫で苦しんでいる時、身代わりのように逝ったムサシ。
そして・・・
今日、無事、葬式を終えました。
猫仲間、ご近所の方々、そして、みなさんからたくさんのお花や心温まるメッセージ、いただきました。
みんなに愛されていたぎんちゃん・・・
感謝でいっぱいです。
治田家は火葬ではなく、土に返す主義です。
大きなプランターに埋葬し、そこに花を植えるのです。
2月に逝ったためおくんには素敵な香りのバラ、ディオレサンスを。春にはいっぱい花を咲かせてくれました。
ぎんちゃんには・・・
かみさんと一緒に朝から猫仲間Sさんが働くA農園へとチャリをこぎます。
巨大な温室にはありとあらゆる木が。
そして、一目でこれと決めました。
オリーブです。
花は地味だけど、葉が素敵だし、何より実がなります。
ぎんちゃんがつけた実でオイルを絞る、考えただけで、寂しさなんか吹っ飛んじゃいます。
ラベルに育て方が書いてありました。
「実をつけさせようとするなら、異種のオリーブを一緒に育てると結実しやすい」
ふたつのオリーブを?・・・ふたつの・・・
ふと、ある絵が浮かびました。
ベランダには二つのプランターに二つのオリーブが。
ひとつはオイル用のルッカ、もう一つはピクルス用のブラックイタリアン。
「イタリアンは枝振り悪いから売れないだろうし、二つ買うなら、ルッカの値段だけでいいよ」
Sさんが言ってくれました。
実は私、むしろあの枝振り、気に入ってたんです。でも、オリーブの用途は分かっていたSさん・・・彼女の優しさだったかもしれませんね。
ルッカ鉢にはぎんちゃんが、そして、B・イタリアン鉢には・・・
4年前逝った先代ぎんちゃんが、クリスマスローズを植え替えて、眠っています。
先代はある日突然現れ、たった七か月だけ一緒に暮らして逝ってしまいました。
「レベッカ」でヘタを打った私が、必死で歌を勉強し直したあの暑い夏、先代はいつも傍にいてくれました。
ともすればくじけそうになる私を、一体どれだけ励ましてくれたでしょう。
戦友を失くし、胸にぽっかり大きな穴が開いていたある日、突然、二代目はやってきました。それも保健所から!
先代と同じアメリカンショートヘア、ケージから出すなり、ごろんと横になり、もう何年も前から我が家にいる体(てい)、うちの猫になったのはごくごく当たり前の成り行きでした。
猫はとても神聖な生き物です。
猫にまつわる不思議な出来事、私は山のように目にしてきました。
私の両親は他界して、もういません。
二代目ぎんちゃんが逝った9月22日、それは母の誕生日でした。
そして、先代ぎんちゃんが逝った11月23日・・・
それは父の誕生日だったのです。
「実をつけさせようとするなら、異種のオリーブを一緒に育てると結実しやすい」
二つのオリーブ、二匹の猫。
ラベルの説明書き・・・
・・・それは先代と二代目の、
そして、父と母の、
「大空からの思い」なのかもしれません。
左が二代目ぎんちゃん、右が先代。
「オリーブオイルとピクルスで、ワイン飲むにゃあ・・・」


18