話せば長いんだけど、とにかく発端はするめの天ぷらだった。
うちの家訓は「食材を無駄にしない!」。
違反したものは厳罰に処せられる。
例えば、賞味期限切れ一か月の場合、懲役一か月、二ヶ月なら二ヶ月、三日の場合は見て見ぬふりだが、これまでの最高刑は冷蔵庫内で発覚した懲役三年のケース。
これには世間の非難が集中した。
さて、するめの天ぷらって、これ以上のビールのアテがあるだろうか!
・・・って、いうぐらい美味い一品。
ただ、裂きイカならそのまま衣付けて揚げればいいが、本格的なするめだと、一旦水で戻して、柔らかくしてからでないとだめだ。
無論、戻し水で粉を溶くことは言うまでもない。
ところが、先日、かみさんがこの鉄則をうっかり忘れ、そのまま揚げてしまったのだ。
民主党選挙対策本部にお土産持って現れた野田元首相のような、なんとも気まずい雰囲気が食卓に流れる。
フレッド・ブラッシーなら(また出たよ、おそ松くんキャラ。知らない人は全く知らないよね・・・)噛みきれるだろうが、おじさんにはとても無理。味はいいのに・・・わんさか残ってしまった。
しかし、家訓通り、細かく切り、くず野菜を混ぜて揚げた我が家産天カスと一緒に冷凍保存。
天かすは我が家では万能調味料。うどんは勿論、みそ汁、焼きそば、そして、お好み焼きには必須アイテム。
よおし、次使うなら、あれだ!
テレビの料理番組で見た「インスタントラーメンお好み焼き」
これをはるパパ流にアレンジ。
先ずは生地作り。
少量の小麦粉を薄い濃度で水に溶き、多量の擦った長芋とブレンド。
ここに袋ラーメンの粉スープを投入。
生地が雪どけ道みたい黒くなり、なーんかやな予感がするが、この予感は見事に外れるのでご心配なく。
卵2個を投入して、キャベツを入れ(焼きそばは葉部分、お好みは芯部分をみじん切りにして大目にいれる。これが世界の常識)、箸2本の間隔を開け、泡立て器のように勢いよくかき混ぜ、ムース状にしておく。
次に、麺の下ごしらえ。
テレビじゃ、ひたひたの水につけ片面ずつレンジでチンしていたが、面倒くさいので、普通に湯の中へほかし、ほぐさずに30秒、(何ていうの、ざるみたいな穴の開いた)おたまですくい、水けをきる。
これをオリーブオイルをひいたフライパンで片面だけキツネ色に揚げ焼き。(サラダ油じゃなくて絶対オリーブ、仕上がりがまるで違う。これだけはこだわりたい)
ホットプレートに生地を敷き、その上にキツネ色面を下にした麺を乗せる。テレビじゃ、その上に直接豚ばら肉を乗せてたが、ひっくり返すとき外れそうなんで、接着剤代わりに麺の上にも生地を敷き、そこへ我が家産天かす投入。ばら肉で隙間なく蓋をし、返して肉に焦げ目をつける。
火が通ったら、もう一度ひっくり返し、後はソース、マヨネーズ、青のり等で普通にいただく。万能ねぎはぜひ欲しい。
さて、試食。
もう、言葉にならない。
こんな美味いお好み焼き、かつて、食したことがあっただろうか。
あの生地に入れた雪どけ泥道ラーメンスープがめちゃ効いてる。
鶏がら醤油ラーメン使ったんだけど、なんというコク。
そして、天かす!
練り込んだするめがまたいい仕事してるよねぇ・・・!
揚げた面がパリパリ、思わず笑みがこぼれる食感。
泡立て卵2個で生地がふわふわ。
コクコク、パリパリ、ふわふわ、ネギネギ、するめするめーっ!
おお、星・・・
七十個!!!!
あんまり美味くて、写真撮るの忘れちゃった!
で、全然関係ないんだけど、代わりにこれ。
大変そう・・・


6