全面変更された振り、しかし、俄然こっちの方がいい!
「難儀やったなぁ、はるパパ・・・」
「ううん、かめへんねん。うちひとりが我慢したらええことやさかい」
なんて悲劇ごっこが終わったら、早速行動開始!
この曲、要はキツネとネコが貧乏を装って、ピノキオから金を巻き上げようという話。二部構成で、前半がスローなレチタチーボ、後半は一転アップテンポのチャールストンだ。
まずは前半、ここはお任せだから、好きに創っていい。
出来上がったカラオケを聞いて、先ず驚いた。
音源がロシアの伝統弦楽器、バラライカだったのだ!
マンドリンにも似た哀愁の音色、イメージはどんどん膨らんでいく。
舞台は・・・当然ロシア、場所は・・・ナホトカ?・・・イルクーツク?・・・いや、やっぱりモスクワ、それも冬、吹雪舞う赤の広場だ!
当然、おれらの名前も変わってくる。
原作だと猫はギデオン、キツネはJ.ワシントン.ファウルフェロー・・・だが、ここはもっとボルシチ的な・・・そう、猫はセルゲイ・・・セルゲイ・プーチン!・・・キツネは・・・ミハエル・ゴルバチョフ!
雪の中、飢えと寒さに震えながら物乞いするプーチンとミーシャ・・・クレムリン宮殿では幸せなニコライ一家が温かいボルシチを食べている・・・遠くを見つめるピノキオ・マトリョーシカ・・・まつ毛には白い雪・・・オレンジ色の街灯に照らされ、バラライカを奏でる・・・奏でる・・・セロ弾きゴーシュ!
できた!!(好きにせえや・・・)
パソコン、キーボード、机、本棚で占領された私の発声部屋、動けるスペースは二畳ほど。
カラオケを聞きながら動きを組み立てる。
譜面にはない「揺れ」、結構難産。
ああして、こうして、こーなって・・・できた!(早いなぁ!)
さあ、問題の第二部。
赤の広場からフォーティー・セカンド・ストリートへ。
プーチン、ミーシャ、マトリョーシカの三人は、勿論、アステア、グレッグ・バージ、アニーへ!
携帯に録画した振り付け助手ナリちゃんの模範演技、目を凝らして、振りを入れる。
ああして、こうして、こーなって・・・できた!(うそつけ!)
しかし、二畳のスペースじゃ限界あり。
舞台はもっと広い、ベランダで稽古には暑すぎる・・・
うん、あそこしかない。
管理棟!
このマンションに越してきた決め手の一つ、鏡付きの稽古場。普段は会議目的だが、バブルの爪痕残るアスレチック・スペース。
エアコンは効いてるし、住民はタダ、使わない手はない!
さあ、クレムリンとブロードウエィが合体。これに横浜中華街をブレンドしたら完成だ。
もはや、非の打ちようのない完璧な稽古だった!
しかし、たった一つだけ問題があったのだ。
スペースが・・・・
広すぎてん・・・
身体がついてこんのじゃよ・・・


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