みなさんのお目覚めは何がきっかけですか?
目覚まし時計、朝日、お母さんに起こされて・・・?
うちはミギミギです。
愛猫ぎんちゃんが朝五時半、「喉が渇いた!」と、なくのです。
まぁ、うるさいったらありゃしない。
喉が渇くんなら、備え付けのお水を飲めばいいんですが、ぎんちゃんはどういうわけだか流水しか飲まない。
で、眠気まなこをこすりながら風呂場のドアを開けると、ぎんちゃんはアメショ特有のルーズスキン;ゆるゆるお腹を左右に振らせ、一心不乱に走ってきます。
蛇口をひねってあげれば、ぴちゃぴちゃ流水を舐め始めます。私と同じ甲状腺機能亢進症だから、すぐに喉が渇くんですよね。
今度、わたしのチウラジール(甲状腺処方薬)、ぎんちゃんにもあげようかな・・・
ぎんちゃんが水を飲んでる間、コーヒーを作りに台所に行くと、リビングに例のものが見えてきます。
またか・・・
マッサージチェアの周りにちびくろサンボの虎が溶けたまあるいバターが。
見事な猫ゲロです。
ぎんちゃんはお腹があまり強くないので、よく吐きます。
私は一瞥しただけで、何事もなかったかのようにコーヒーメーカーをセット。そして、深呼吸すると、ちびくろバターの上にあたかも鑑識が遺体をカバーするがごとくティッシュを置いていき、一周すると、端から順に床を吹いていきます。
朝一のゲロ拭き掃除、楽しいっすよ。
(ごくろはん・・・)
そうこうしていると、ぎんちゃんがやってきてじっとこちらを見つめます。
「飲み終わった」のお知らせです。
こういうとこは律義で偉いんですがね、だったら蛇口を閉めてほしいもんだわ・・・
再び風呂場へ行き、蛇口を閉め、戻ってくるとコーヒーができている。最近じゃ、もうこれが日課。
香しいコーヒーで喉でうるおしながら、そろそろかなと思えば、案の定、始まります。
ミギミギ、ミギミギ・・・
今度は「腹減った」のお知らせです。
電子レンジにしまってある「例のもの」を取りに行きます。
前述のとおり、ぎんちゃんはお腹が強くないので、あらかじめ水でふやかしたカリポリがタッパに入れてあるのです。
冷蔵庫だと冷えすぎるし、外に出しておくと、ひっくり返して全部食べちゃうんで、もっぱら電子レンジにしまっています。
あんまりあげると、また「バター」になるから、ちょっとだけ。
すると、アグアグッ!
ものの二秒で食べちゃいます。そして、
ミギミギ!
「もっとくれ!」のお知らせです。
ここで、さすがの私もチウラジールが切れ、声を荒げます。
「静かにしなさい!」
早朝の集合住宅に私の舞台発声が響くのでありました。
※(甲状腺機能亢進症の症状;イライラしてすぐにきれやすい)
私はソファに深く腰を沈め、何事もなかったかのようにコーヒーを流し込みます。
ベランダの緑がとても綺麗。
すると…
思った通り始まります。
ゴロゴロゴロ…
「悪かったにゃあ」のお知らせです。
これがお叱りの後の日課。
ぎんちゃんは膝の上に乗ると、ずっとゴロゴロ言い続けます。その姿はご機嫌伺いとかじゃなくて、本当に反省してるみたい。
悪いやつじゃないんすよね。
ただ、まぁ、その反省が次に生かされないだけで・・・
ほかの子はみんなご飯の時間までおとなしく待つのに、どうしてぎんちゃんは・・・
チノがこないだぼやいていました。
「わがままミギゴローだっちーの!」
ふと、私は思いました。
だから、前のご主人はぎんちゃんを保健所に入れたのかな・・・
そう思うと、なんだか不憫になりましてねぇ、つい、言っちゃうんですよ。
「ずっとここにいていいんだよ・・・」
「ミギミギ、ゴロゴロー・・・」


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