共演者の砂川くんから七輪をもらいました。
一度使ったっきり、物置行きだったらしいのです。
私の弟が七輪でよく肉を焼いていて、前から欲しいと思っていました。
一度バーベキューセットを何かのバザーで買ったのですが、大仰過ぎて、こちらはこちらで物置行きだったのです。
一回公演の日、早速これでシャケちゃんに買ってきてもらったモツを焼きました。
九州ではどこのスーパーでもホルモンは置いてありますが、東京ではなかなか見つけられません。
しかし、シャケちゃんちの近くには“謎のモツ専門店”があるらしいのです。
店主は相当な腕で、「センマイ500g」と言うと、すすーっと包丁を入れて、1gの狂いもなく肉を切り出すらしいのです。
「すごいのはね、計りに肉を置いてそれがぴったりだと、にいーって笑うの!」
シャケちゃんが興奮して話してくれます。
うーん、これは相当マニアック!
いつしか私はこの達人のことをホルモン界の“スウィニー・トッド”と呼んでいました。
そう、ジョニー・デップ主演で映画化もされたソンドハイムの傑作ミュージカルです。
http://wwws.warnerbros.co.jp/sweeneytodd/
先日、シャケちゃん経由で「ハチノス500g、ギアラ500g」を買ってきてもらいました。もちろん、スウィ二ーの店でです。
ハチノスはトリッパ(イタリア風モツトマト煮込み)に、ギアラは焼きにするつもりでした。
シャケちゃんが肉の入った袋を持って、またもや興奮して話します。
「はるパパ!中に大きなハチノスと小っちゃいハチノスと二つあるんだけど、この小っちゃいのはね・・・!!」
シャケちゃんの目がギラギラ輝いています。
スウィニーが例によって包丁でスーっと肉に切れ目を入れ、何の疑いもなく計りに乗せたら・・・
なんと495gだったらしいのです。5gのミス!!
スウィニーにはそれがどうしても許せず、ハチノスの小片を多めに切って、足したらしいのです。それが50g!
スウィニーはその夜、浴びるようにやけ酒を飲んだらしい・・・
そんな噂がフリートストリートに広まりました。
ああ、この店、行ってみたい!
砂川に話したら、モツ好きの彼は早速休演日、スクーターに乗って行きました。200gぐらいずつ、いろんな種類を買うつもりだったのですが、
「はるパパ、そんな雰囲気じゃないのよ。おれ、もう圧倒されちゃってさ、同じ種類のだけ1キロ買っちゃった・・・」
だそうです。
ああ、行ってみたい、こんな店!!
怖くて、えぐくて、おどろおどろしくて、それで、ちょっぴりユーモラスなこんな店。
スウィニーの、にーっと笑うあの瞬間を見てみたい!!
今、仲間を集って怪奇ツアー企画中です!
(多分、つづく・・・)
「プーも行きてえと!」


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