昨日、TV番組で被災者の方が「政治家達はもめてばっかいねえで、一致協力しておれたちのことを救ってくれ!」と、訴えてらっしゃいました。
確かに不信任案議決後のごたごたは被災地にとってはいい加減にしてくれって事でしょうね。
でもね、昔、私も履歴書には書きたくない仕事をしたことがあって、それはひとえにひどい演出家のせいだったんですよ。
詳しくは書けないけれど、「今のミュージカルはダメだ!世界を驚かす作品にするんだ!」って豪語してたのに、蓋を開けたら、世界に怒られちゃったんです。
キャストはもちろん、スタッフも怒り心頭だったんですが、おかしなもので、そういうときってみんな団結するんですよね、「自分達はしっかりやろう」って。
「集団は一人の裏切り者と一人の犠牲者が出たときに自己完結する」って、誰かが言ってました。
十二使徒のひとり;ユダが裏切り、キリストが犠牲になったから、他の十一使徒たちは団結し、キリスト教は世界中に広まったのです。
でも、あのときの舞台はキャストがいくら頑張っても限度がありました。セット、音響、音楽など全部演出家に権限があったからです。
それに、我々年配者は自分なりの演技を貫きましたが、若い役者はいくらおかしいと思っても、演出家には逆らえなかったのです。
今回の民主党のゴタゴタ、これと同じだと思うのです。
キャスト;心ある政治家、被災地の知事、市長、町長、村長がいくら頑張っても、全ての決定権は演出家;総理大臣にあるんです。
10年ほど前、「ライオンキング」のセット説明会というのが四季劇場であって、そこで初めて「ヌーの暴走」シーンのからくりを見たとき、その演出に私は鳥肌が立ちました。
舞台上が本物のサバンナに見え、そして、ムファサは何百頭ものヌーに踏み殺された・・・本当にそう見えたのです。
優れた指導者はひとの心を大きく動かし、持ってる以上の力を引き出します。逆に勘違いの指導者は心を萎えさせ、やる気を奪い取ってしまいます。
常に冷静であるべきリーダーが震災直後東電へ赴き怒鳴り散らし、アメリカ軍が用意してくれた原子炉冷却用のホウ酸を断り、なんとか対策委員会を二十いくつも作り責任の所在を曖昧にさせ、計画停電区域から地元の武蔵野市だけは外し、震災のどさくさに紛れて消費税増税を画策、反感を買うと国会を閉じて(結果的に)夏休みを取ろうとし、不信任決議案が可決しそうになると急に通年国会だと言って会期延長、造反したら、被災地を尻目に解散総選挙だと言って脅し、辞任をほのめかして不信任案が否決されたら居座り、反感世論が高まると8月で辞めると言い出す・・・
私、ある意味、菅さんって稀代の意志の強さを持った人だと思うのです。だって、側近以外は世界中から怒られているのに、今だに和歌山の蜂蜜梅干食べながら笑っていられる。
普通の神経だったら、もう、とっくに参ってるはずです。
どこからそのエネルギーは出てくるんだろう?
ある政治評論家が言ってました、「彼は一日でも長く総理大臣でいたいだけなんだ」って。
でも、さすがにもう腹はくくってる!?
今までどんな総理がいたかと思い、ウィキペディアで調べてみました。歴代の総理の在任期間がずらりと表になっています。
そこで、面白いことに気が付いたのです。
日本の総理は毎年コロコロ変わると言われていますが、そうじゃない時期もありました。そう、小泉総理のときです。
小泉さんは五年、1980日間、総理を務めました。
その後から日替わり、いや、年替わり総理です。
阿部さん;366日。
福田さん;365日
麻生さん;358日
鳩山さん;266日
菅さん ;363日(6月8日現在)
小泉さんの後、一番長いのが阿部さん・・・
え・・・?
まさか・・・
阿部さんより1日に長い、367日目に辞める!?
年替り内閣じゃ一番長い在任期間のため?
6月12日!?
まさか。
「そんなやつ、おれへんで!」
リーダーって、誰のため?

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