稽古場最後の通しが終わりました。
歌あり、踊りあり、笑いあり、そして、最後ちょっぴりホロリと来る二時間半、なかなかいい仕上がりです。
ぜひ皆さん、観に来てください。
絶対に楽しめます!
昨夜は稽古打ち上げパーティーが行なわれました。
皆で楽しいお酒、健さんともお話でき、とてもいいアドバイスをいただきました。
一途最後、ジミーはカポネと対峙し、子供への思いを語るのですが、その時の目線をどこに置くか指摘してもらえました。
実は、ちょっと迷っていたところではあったので、とてもありがたかったです。
ジミーはカポネと何度も絡みますが、私はこのシーンの健さんが一番好きです。とにかく目が優しいのです。
この作品に入る前、色んな映画や舞台を見て、名優の演技をいっぱい観察しました。
良い役者というのはセリフを吐く前の心の動きがとてもよく見て取れます。そこには濃密な「間」があるのです。
私は今回、その「間」に挑戦しました。
心が幾重にも動いて、そして、ようやく台詞になる。
その間で、健さんの目がすごくジミーの心を動かしてくれるのです。
昨夜、同じテーブルにいた山田さんとも話したのですが、芝居って絶対に一人じゃできないです。
相手役がいるからこそ助けられる・・・
以前、演出家から、
「治田さん、オーラを消してください。気の弱い、そこにいるのに誰も気づかないジミーにしてください」
そんな注文を受けました。
私は声量を落としたり、歩き方をおどおどさせたり、自分でも工夫しましたが、共演者にも助けてもらったのです。
最初のコットンクラブのシーンで、以前は女の子達と絡んでいたのですが、お願いして、まるっきり無視してもらいました。すると、もう、目も合わせてくれません。(笑)
ドロシー演じる春風さんには私の台詞を食って(かぶせて喋る)もらいました。
「おれ、いないもんと思って喋ってくれない?」
そう、頼んだのです。
そしたら、春風さんは私の台詞にどっかぶせ、「政治家?」っていう台詞なんですが、もう「せ」しか聞こえません。(笑) すると・・・
なんということでしょう・・・すごく孤独になれたのです!
誰にも相手にされないジミー、そこにいるのに見えないジミー、とてもちっぽけな気分になれたのです。
頼んではいなかったのですが、大至さん演ずるディノも私を空気だと思って芝居してくれました。
だから、そのディノに「誰だ?」と、聞かれたとき、すごく喜びがこみ上げてきたのです、気づいてもらえたという。
ありがたいですね、共演者というのは。
どれだけ助けて貰っているでしょう。
誰にも無視される・・・
大昔、ロンドンに行ったとき、サッカーをしている少年達がいました
ゴールキーパーは東洋人の少年で、両手を広げ、フットワークも使い一生懸命ゴールを守っているのですが、ほかのみんなはセンターラインを超えた向こうでばかり楽しんでいるのです。それでも声を出しながら一生懸命動いている少年、なんだかピエロみたいな、「滑稽な哀れさ」を感じました。
そんな子だったのです、ジミーも。
誰にも相手にされない・・・
だから、ジミーは家族をとても大事にしてるのです。
ロンドンの少年も必死でゴールを守ろうとしていました。
みんなに認められたい・・・
息子に尊敬されたい・・・!
私が最後にそんな思いを吐けるのは・・・
すべて共演者のおかげです。
「アンタッチャブル」
シアター1010で追加公演、こちらはまだチケット受け付けます。
6月15日1時半、6時半
16日1時半
http://star.ap.teacup.com/harupapa/1317.html#comment

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