ここんとこ毎日、政治ネタと芝居ネタで長々とすいません。
書き始めるとつい、あれもこれもで欲張っちゃうんです。
さて、今日はやはり芝居で。
この「アンタッチャブル」、自分らで言うのもなんですが、かなり面白くなってきています。前にも書きましたが、私、ダメだと思うとその話題には一切触れません。
これはかなりいい線いってるのではないでしょうか。
大物俳優に気を使いながらも臆せず注文をつける若い演出家にもその要因がありますが、それに答える俳優たちも個性があって、パワーがあって、繊細で、素晴らしいです。
今回のカンパニー、色んな世界の人たちが集まっています。
元四季、元宝塚はもとより、歌舞伎、映像、商業演劇、小劇場、そして、ポップス、角界!
色んなジャンルが色んな芝居をして、刺激を出し合い、受け合っています。
この芝居、私は密かに「異種格闘競技」と呼んでいます。
その最右翼が何と言っても小劇場出身の山田さんでしょう。
彼のパワーと即興力とアイデアにはいつも感心させられます。それは多分、自分も小劇場出身だからでしょう。
私、実は元劇団四季ではなく、元「夢の遊眠社」なんです。
山田さんを見ていると、管理されたメソードをぶち壊す破天荒なパワー、「え!こんなことしていいの!?」、そんな爽快感の連続です。
そして、そのたびに思うのです。
あ・・・これって、昔自分も・・・
眠っていた記憶が少しずつ蘇ってきます。
死火山だと思っていたマグマが少しずつ活火山になるのを感じるのです。最近、少しずつ吹っ切れるようになりました。
嬉しいです。
そして、最大の刺激は健さんです。
健さんのすごいのは類い稀れなその集中力です。
演助の手が打たれた瞬間、健さんはカポネになります。
浅利先生に芝居の極意は「居て語れ」と教えられましたが、健さんは芝居が始まった途端、どかんとそこに「居る」のです。そして、一瞬のブレもなくカポネで居続ける。
だからリアルで面白く、悲しく、恐く、可愛く、ロマンチックなんです。
今回ラッキーだったのは随所で健さんの相手役を勤めさせていただいてることです。
健さんを見て、聞いて、それに反応するだけで芝居になります。自分から余計な思いを作る必要が何もないのです。
時々、ふっとした瞬間に、芝居ではなくて本当の交流を感じることがあります。
「見て、感じる。聞いて、答える」
それが芝居なのでしょうね・・・
静かな強さ、それが健さんの魅力です。
さあ、今日から三日間、通し稽古の毎日、そして、いよいよ劇場入りです。
破天荒なパワーとリアルな集中でジミーを演じようと、いや・・・
ジミーで「居よう」と思います。
神奈川のジミー;坂道のりちゃん


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