「アンタッチャブル」に向け、実はだいぶ前から準備を始めておりました。
とにかくひとの演技を観察しようと、映画、舞台を見まくっています。
作品はつまらなくても、役者が面白ければ大収穫、そのシーンを何度も見てメモを取ります。いい役者って言うのは、本当に「間」がいいですよね。
だから、困るのは・・・作品が面白かったときです。
つい、仕事を忘れて楽しんじゃう・・・(笑)
その際たる2作品が伊坂幸太郎原作の「アヒルと鴨のコインロッカー」と「重力ピエロ」でした。
ごくごく普通の日常が、「ええーっ!!??こうなっちゃうの!!」、すごく意外な展開で進んでいきます。
伊坂幸太郎ってすごいストーリーテラーですよね。
しかも、ただ奇をてらっただけでなく、きちんと納得のいく動機付けがあるのです。
リアルだからこそ、笑えたり、泣けたり、最後感動しちゃうんですよね。
役者も自然ですごくいいです。
はたと気がついて、演技観察すると、その「何もしない、狙わない演技」というのがとても勉強になりました。
とにかく、とっても楽しめる映画です!
余談ですが、ちょっとぐらい非現実的でも役者が面白ければ面白いって演技が「チームバチスタの奇跡」にありました。
「そんなあほな」も役者の「腕」次第、リアルになるもんですね・・・生意気言っちゃいけません、反省・・・!!
舞台は昨日と一昨日と続けて二本見ました。
一本目はOFF OFF BROADWAY JAPAN主催の「12」(トゥエルブ)です。往年の名作「12人の怒れる男」を翻案した作品で、元劇団四季の役者中心のキャストです。
伊坂幸太郎の映画同様、原作が面白いのでそれだけでも楽しめるのですが、演出的にもとても意欲的で好感が持てました。
脚本・演出の望月隆平さんは私が四季に入ったとき、まだ研究生でした。それから、色々メインキャストに抜擢されていたのは知っていましたが、私の頭にはまだダンサーのリューへーでした。(失礼!)
それが、今回の舞台を見てとても驚きました。
もちろん、うるさいおじさんですから、あれこれ注文はあったりしますが、全体的にはとても楽しめました。
演出家として、これからの活躍を予感させた舞台です。
突然ですが、クリスマスローズって花、えてして一番花は乱れます。
ただ、ちょっとぐらい乱れていてもきらりと光る、可能性のある花ってのは、二番花、あるいは三番花で見事な花を咲かせます。そして、年月を経て、株の充実とともにどんどん進化していきます。
リューへー、頑張って!期待しています!!
開花中の一番花、型は乱れてますがグリーンとグレープのコントラストが素晴らしい。その右横蕾が三番花です。
左下二番花の細長い蕾に比べて、丸くてすごくいい形ですよね!
二本目は三谷幸喜さんの「国民の映画」です。
いや、楽しくて、恐くて、本当に面白かった!
役者も、どの人を観察していいのか分からないぐらい豪華なキャストで、観察がつい観劇になってしまいました。
で、あらためて思ったのは「声」の重要性ですよね。
惹かれる役者というのは皆(美声という意味だけではなく)通る、魅力的な声をしています。
だから言葉が、音ではなく意味が、自然に伝わってくるのですよね。
だから、そこにドラマが生まれてくるんです。
あっという間の三時間でした。
さあ、人のことばっかり言ってないで、自分もしっかり準備しておかなくては!
私の声って、多分声帯に問題があるんでしょうね、ちょっと鍛錬を怠るとすぐ駄目になってしまいます。
舞台が終わって日常会話ばかりしていると、三日で声が落ちるのです。
高校時代、全く声が出なくなった経験があるくらいで、声が落ちれば相手役にも、お客様にも意味を伝えられません。
今、毎日発声練習は欠かしていませんが、次の日曜にレッスンを受けます。
放射能に負けず、茨城県つくばまで行ってきます!
風評なんかもろともせず、茨城野菜もしこたま買い込んできますよ。
さあ、今ががんばりどきです!
「がんばるわよ!」


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