けんけんさん、MERさん、サリーにゃんさん、恋歌さん、かこさん、Kunaさん、ブログを読んでくださった方々、そして、ご近所の皆様、大変ご心配おかけいたしました。
失踪豆ちゃん、昨夜10時45分、無事保護いたしました!
一時は誘拐の線も疑われ、逆探知、身代金・・・身代(猫)缶の準備もしていたのですが、ご近所の方々の目撃情報から察すれば、どうもただ単にこの辺りを遊びまわっているだけという、親の立場からすればなんともお恥ずかしい限りの状況です。
失踪二日目の夜、玄関前に豆ちゃんの臭いの付いた猫トイレとご飯を置いたところ、翌朝きれいに片付いておりました。
ご近所の方の証言によれば、「尻尾が三角で短い猫」が食べていたそうです。
肉牛に短角牛という種類がありますが、この「短角猫」という特徴が聞き込み調査において大いに役立ったのです。
「尻尾の短いのがA棟の階段を散歩していた」
「植え込みで昼寝してた」
「公園でナンパしてた」
etc...
信憑性のあるものからガセに至るまで情報は次々と寄せられました。
豆ちゃんは生きています!
・・・っていうか、エンジョイしてます・・・
しかし、いつまでも放っておくわけにはいきません。
梅雨に入り、天候は不順です。
失踪した夜はよりによって大雨で、私は公園から屋上に至るまでずぶ濡れになって(傘さしとったやろ!)探し回りました。
「まめちゃーん・・・まめちゃーん・・・」
悲しみの声が横浜中にこだまし、聞く人の涙を誘ったのです。(はいはい・・・)
いくらエンジョイしているとはいえ、ずっと家猫だった豆ちゃんがいつまでも野良生活を続けられるわけがありません。
健康も不安だし、第一、嫁入り前の若い娘が夜な夜な遊び呆けているという噂が立てば、世間が黙ってはいないでしょう。血のつながりはなくとも、妹のチノや伯父のクロードまでもが肩身の狭い思いをするのです。
なんとしても保護しなくては!
逃亡猫リチャード・マメちゃんを逮捕すべく、ジェラード警部は立ち上がりました!
短角猫を探せ!
まめちゃんが人に慣れている猫だったら事は簡単なのですが、彼女は超のつく人見知りです。
我が家へ来てから1年近くになりますが、まだ誰も触ったことすらありません。
「キャッツ」のグリザベラに聞かせてやりたいぐらいです。
「♪タッチミー!」
こうなったら、あれしか方法はありません。
そう、「ヘンゼルとグレーテル作戦」です!
先ず、階段の下からカリポリを一粒ずつ並べ、我が家までつなげます。
そして、開け放った玄関ドアから部屋の中までは最高級猫缶;「ゴールデン・モンプチ・大間まぐろ&枕崎かつお節」(そんなんあるか!)を一山ずつ並べ、おびき寄せるのです。
私たちは息を殺し、チノやクロードは固唾をのんで、他の猫たちはあくびをしながら待ちました。
プーにいたっては爆睡です。
すると、夜も更けた10時過ぎ、突如、廊下に陰が映ったのです。
陰はてんこ盛りのゴールデン・モンプチ皿に頭を突っ込むと、バクバク食い始めたではありませんか!
すぐさま玄関ドアは閉められました。
陰は脇目も振らず一心不乱に食べています。
三角の短い尻尾・・・間違いありません。
作戦成功!
失踪してから56時間、ついに豆ちゃんは帰ってきたのです!!
「腹へったまめーっ!」
「豆ちゃん無事保護!」のニュースはご近所中を走り抜けました。
階段行く人々に号外が配られます。
(ま、電話とかメールしたんですけど・・・)
「良かったね」
どの家庭からも安堵のため息が漏れました。
はるパパ署「失踪猫捜査本部」もようやく解散です。
ジェラード警部はビールで、猫たちはまたたび酒で(ほんまかいな!)乾杯しました。
チノはすりすりして泣いています。
こういうのをすすり泣き・・・「すりすり泣き」っていうんでしょうか・・・
クロード伯父さまの目も潤んでいます。
「目やにだぜ・・・」
雲の合間からお星様がにっこり笑いました。
たくさんの情報をお寄せくださいましたご近所の皆様、本当にありがとうございました!
この場を借りて、厚くお礼申し上げます。
ご飯を食べ終わった豆ちゃんは、よほど疲れていたのでしょう、キャットタワーに登ると、泥のように眠りましたとさ・・・

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