雨です。
寒いのはいいのですが、雨はどうも苦手です。
とあるガン科医が統計をとったところ、雨の日より圧倒的に快晴の日に急性の虫垂炎、つまり盲腸患者が多いそうです。
明るい日差しを受けると、人間は交感神経(やる気などの能動的な神経)が刺激され、活性酸素が大量に発生するからだそうです。
そうは言っても・・・私もまだ盲腸は持っていますが・・・やっぱり朝はオレンジ色の陽光が好きです。
こんな寒い朝は猫暖房で(お膝にシロモモちゃんが乗っています)ブログでも打ちましょうか・・・
「クーリング・オフ」という言葉をご存知でしょうか?
何かを買ったとき、一週間以内ならそれを返品できるという制度です。
品物を手にしたら、一度頭をクール・ダウンして「本当に必要かどうか」よおく考えてごらんなさいということです。
我慢して使っていると、結局捨てちゃうことになりますからね。
小田急線、豪徳寺駅にアイリス犬猫病院という、小さな動物病院があります。
主治医の斉藤先生は腕はいいのですが片づけが大の苦手で、病院内の‘混雑’ぶりを見ると、初めての方は、まあ、間違いなくびっくりします。
しかし、雑然とした空間にわずかな診療スペースを作り出し、(おそらく先生にしか分からない)パズルのような収納から薬を取り出しては、どんどん治療していきます。
しかも、治療費はかなり良心的で、世田谷動物病院界では「犬猫赤ひげ先生」と呼ばれているほどです。
あ・・・ちなみに先生は女医さんです。
赤ひげ先生は動物治療の他に、めぐまれない猫の里親探しをやっています。
診察室奥のケージ団地には沢山の捨て猫、病気猫が住んでいます。
中には居住10年というつわもの猫もいます。
うちのためおくんもこのアイリス・ケージ団地出身です。
「この子は(里親は)無理でしょうね・・・」
と、斉藤先生ははなからあきらめていました。
なぜなら、彼は交通事故にあい、3本足だったからです。
健常の猫でもなかなか引き取り手はいないのに、これはかなり致命的なハンディです。
先生は私がためおくんを引き取る時にこんなことをおっしゃいました。
「返品可ですから!」
「品物じゃないんだから」なんて怒る方もいらっしゃるでしょうが、先生はいたって真面目です。
先生が一番恐れているのは「相性が合わないのに一緒にいて、結局、捨ててしまう」ことなのです。
彼女はこう言います。
「決して、無理しないでください」
この「猫クーリング・オフ制度」、実はがんじろう基金も設けています。
先日、うちへいらしたギズモ・チャモ里親候補の方との縁談は結局、破談になりました。
猫を初めて飼う方だったらしく、ギズ・チャモ姉妹はあまりにもシャイ過ぎたようです。
わたしたちですら今だ近づけば逃げられますからね。
「やっぱり、ダッコできる猫がいいです」
後になって連絡が来ました。
ごもっともです。
がんじろう、ムギョちゃん亡き後、わたしのお膝に来てくれる猫はシロミちゃん(最近、シロモモちゃんはこう呼ばれている。ホワイト・ビューティーの白美ちゃんです)しかいません。
やっぱり、自分から傍に来てくれると嬉しいものです。
去年保護したライナスは「もう、あっちいきなさいっ!」って言うぐらい傍に来たがりました。
ああいう子は得ですね・・・
一足先にもらわれていったロック好きのニモ。
この子は結構ひとなつこかった。
ところが先日、「事件」は起きました。
私がソファに横になって、お茶を飲みながらお気に入りの海老マヨせんべいをボリボリ食べておりますと、突然チャモがやってきたのです。
どうやら海老の匂いに釣られたようです。
近づけば逃げるチャモが、なんと、自分からちょこちょこ私のお腹の上に乗ってくるではありませんか!
しばらく袋をヒョヒョイしておりましたが、わたしがせんべいをあげずにいると、そのうち横になって(!)、ななな、なんと、私のお腹の上で寝たのです!!
しかも、チャモに釣られてギズモまでがお腹に乗ってきて寝ました!!!!!!!
おお・・・
動機はせんべいでした。
わたしはエビに負けたのです。
でも、悔しくなんかありません。
温かい感触が肌に触れ・・・うっ・・・時折、伸びをするチャモ・・・うっ・・・二匹の幸せな寝息を聞き・・・うっ・・・おしっこ行きたいのをグッと我慢し・・・うっ、至福のひと時を過ごす・・・
もう、それだけで充分なのでありました。
明後日、がんじろう基金の会員;とあるご夫婦がお見合いにいらっしゃいます。
おふたりには先ずギズ・チャモに会っていただき、気に入っていただいたら一旦帰っていただきます。
そして、猫受け入れ準備をしていただき、後日、こちらから猫を連れあらためてご夫婦のお宅に伺い「お試し期間」を設けます。
そこで本当に気に入っていて初めて縁談成立なのです。
我が「がんじろう基金里親猫受け渡し条約」ではいつもこういうやり方をしています。
里親さんと猫たちの一生の問題ですからね、念を入れて入れすぎということはありません。
さあ、どうなるでしょうか・・・
もちろん、これだけはちゃんと言うつもりです。
「返品可だにゃん!」


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