健康診断の結果が出た。
総合定期健診、前々からやらなくてはと思いつつ、自民党の法案議決のようについつい先延ばしにしていた。
しかし、あることがきっかけで、先月末、ようやく市内の病院で受けたのだ。
それは母の脳梗塞である。
初めて病院で会った時の、あのうつろな目は忘れない。
あの、元気で、口うるさくて、優しい母が、ああも変わるとは・・・
余談になるが、今回の病気がきっかけで、子供のころ以来初めて母の手を握った。
左半身が麻痺しているから、そのリハビリのため、母の左手を握り、グーとパーの運動を手伝うのだが、初めは照れくさかったものの、しまいには普通に話しているときも自然と手を握って話していた。
なんだか母のぬくもりを感じ、子供に戻ったようで嬉しかった。
さて、感傷にひたっている暇はない。
先ずはガン検診である。肺はタバコを吸わないからパスして、胃、大腸、前立腺と調べてもらった。
1>胃ガン
この検査には例の‘あれ’を飲まなくてはならない。
そう、バリウムだ。
レントゲン室で、コップになみなみ入った白い液体を渡される。
ひとくち飲む・・・
『バニラフレーバー・ブルガリア・ヨーグルト・紙粘土味』
そんな感じだ。
「それでは、ゆっくりでいいですから全部飲み干しましょう」
検査官の声がスピーカーから響く。
意を決した私は真っ白な‘しっくい’をごくごくと飲み始めた。
まるで刑の執行を受ける囚人である。
「それでは台が動きます。しっかりつかまってください」
わたしが乗った検査台はゆっくりと動き出す。
この台、豊島園のフライングカーペットをリフォームしたものらしく、右に左にぐるぐるまわり、上を下への大騒ぎ。
あと二分余計に続いていたら、間違いなくレントゲン室は‘しっくい’で塗り固められていたことだろう・・・(んな、あほな!)
2>大腸ガン
これにはまいった。
子供のころからいやでたまらなかった検便である。
事前に採取して(それも二回!)持って行かなければならない。これが本当に憂うつで、よほどがんじろうのを借りようと思ったぐらいだ。
しかし、間違いなく怒られるだろう・・・
やはり、止めておいた。
(あたりまえや!)
3>
前立腺ガン
これは最近気がついた事だが、検尿検査のシステムが、「関西風」と「関東風」の二種類あるようである。
まず、関東風だが、採取した尿を紙コップに入れ、それを一旦小さな窓口に置き、患者さんの気配が消えたのを見計らって、あらためて看護婦さんが取りに来る。
この「消えたのを見計らって」というのがミソで、「え、おしっこ、したの!?知らなかったー!」という、調査側の「見て見ぬ振り主義」が存分に感じられ、その気配りはとてもありがたい。
しかし、ここで大いなる疑問が提示される。
あの看護婦さん、自分が検査する時も、窓口に置くんやろか・・・?
一方、関西。
先月、「テイクフライト」大阪公演で急性胃腸炎になり、このときも検尿した。
しかし、あの梅田の病院では、紙コップに採取するところまでは同じだが、その後、看護婦さんがいきなりあらわれ、
「はい、ごくろはん!」と、
まるでパイレーツ・オブ・カリビアンのようにコップを奪い去っていくのである!
この「疾風・現実直視主義」、なかなか小気味いい。
あのひと、間違いなく自分のも「はい、お待っとう!」と、持って行くだろう。
けど・・・たこ焼きやないねんから、もそっとオブラートに包んでもよろしんやないやろか?(笑)
とまあ、そんなわけで、三つのガン検診、血液検査、心電図、眼底検査etc...すべて終わり、さて、気になる検査結果だが。
まったく異常なし!
ガンマGTPは多少高いが、これはアルコールの摂取を控えればよいだけの話で(まあ、この「よいだけの話」が問題なんだけど・・・)、糖尿の心配もなかったし、三日おきには休肝日を設けている。
今月の12日からは「レベッカ」の歌稽古が始まるらしい。
どんな仕事もそうだが、やはり健康な身体で仕事に臨まなくてはならない。
みなさんも、定期健診、きちんと受けましょうね!
ああ・・・ガンじゃなくて良かった・・・
「おら、ガンですだ・・・」
BYがんじろう

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