劇場中継最終回
皆様、本当にありがとうございました。
無事、博多一ヶ月終わらせていただきました。
たくさんのお手紙、差し入れ、どれだけ励まされたでしょう・・・
心から感謝しています。
色々思いはありますが、自分なりに目的を持ってやったつもりです。
例によって「バーに始まり」(毎朝、楽屋でバーレッスン)、そして変わらず
「バーに終わり」(夜は、あちゃこちゃ焼酎バーレッスン)でありました・・・
振りかえれば博多は「山笠」一色でした。
知らない人は知らないでしょうが(当たり前じゃ!)山笠はふんどし男たちのお祭りです。
・・・
その昔「美女と野獣」で始めて博多の七月に来た時、町中「Tバック」(!?)の男たちで
ひたすらびっくりしたものでした(笑)。
今回ある時、同室の河岡と、ももちゃんとコニタンとでもつ鍋を食べに行きました。
すると待ち合わせの場所に行くまで、道路という道路が男のお尻であふれていたのです!
そこいら中、尻、尻、尻、ふんどし、尻、尻、男のお尻なのであります!!!
ああ・・・
ここは、ぜったいテロとは無縁だ・・・
戦争なんておきるわけがない・・・
なんて、ばかなことを思っておりました。
そんなある日、ナオトが、
「はるパパ、(森)公美ちゃんの誕生日になんかやりましょうよ!」
と、誘ってくれたのです。
ピーン!
と、浮かんだのが、
「イーストウィックのゲイたち」
でした。
あれよあれよという間に企画は大評判、一度観た人たちから再演して欲しいと要請され、そして、私は続編を執筆したのです。
当日、博多座B2稽古場は、陣内さんを初めとするプリンシパル全員、女性キャスト、
マエストロ塩ちゃん、オケさん、スタッフ、舞台事務所、常務、そして、
プロデューサーにいたるまで、百人以上の観客で埋まりました。
出演者のゲイたち(陣内さんを除く男性出演者全員)は、思い思いのコスチューム、
メイクで身をかため、臨んだのです。
ナオトのアイデア、エイジの振り付けが花を添えました。
もう、会場は爆笑の渦です。
そして、それは誰も知らなかった公美ちゃんの登場、その衣装とメイクで
頂点に達したのです。
博多座が揺れました・・・
とっても「くだらない」内容でした。
でも、ナオトもエイジもいっぱい走り回ってくれました。
照明や、進行のアイデアも出してくれました。
大浦みずきさんは往年の男装で現れ、場内は興奮のるつぼ。前回公美ちゃんバースディ
パーティーの時は登場しなかった、「イーストウィック」の少女・小此木まりちゃんも
出演してくれ、初代少女役・コニタンと世紀の対決です。
この時点で既に客席は大爆笑だったのに、ましてやその後、史上最大の「少女・
公美ちゃん」が登場したら・・・
何度も言いますが、「くだらない」内容でした。
− 「イーストウィックのゲイたち」・エピソードU−少女の逆襲 −
ね、くだらないでしょ?
でも、そんなくだらないことに、エイジもナオトもマリちゃんもクミちゃんも、
オオウラさんも、いい年したおじさんたちも皆、ばかみたいに熱く取り組んでくれた
のです。
終わって、私はエイジに言いました。
「こげんこと、ふつうのおっさんはやらんばい?」
するとエイジは言いました。
「『大人の遊び』ですよね・・・」
・・・そうです。
ミュージカルを何年もやっている、おじさんや、おにいさんや、おばさんや、おねえさん
が、「一生懸命遊んだ」のでした。
千秋楽、私の乗る飛行機は5時25分でした。
「はっやーい!」
みんな驚きました。だって・・・
猫たちに会いたかったのです・・・(いけないと思いながら、天神のペットショップについ
つい入ってしまい、大好きなスコティッシュフォールドくんとゴロゴロしていました・・・)
楽屋を片付け、いざ博多座を去ろうとするとき、廊下でナオトに会いました。
「はるパパ、おつかれさん」
ナオトはにっこり笑いました。わたしは心をこめて言ったのです。
「遊んでくれて、ありがとう!」
こんなはるパパ見たことない・・・そんな満面の笑みを返すのでした。

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