久方ぶりの休みです。
腰痛のあとは首肩痛に悩まされました。これはテナーシンガーの宿命です。
高い音というのは腰で支え、首肩上腕部で抜けそうになる音を引っ張ります。
これをアンカリング(アンカー;つまり船の錨《いかり》ですな)と言います。
今回「十二夜」では♪「お楽しみはー」の「はー」が♪Gで頻発し、更にコーラスで
それより高いパートを受け持っています。
何故、苦労して一番上のパートへはるパパが行きたがるかというと・・・
実は2番目、3番目のパートよりメロディーラインが圧倒的に簡単という
「卑怯な特典」がついているからなのです。
ま、やった気になるって言うのもあるんですが・・・
ただ、この嬉しい特典にはややこしい副産物がつきまといます。
信号機トリオで歌う「お屋敷に引き上げよう」の♪A,秋川さんが最初ソロの
「ダンス、ダンス、ダンス」♪B♭、このどちらも最後はひとりで責任満載
3小節のロングトーンです・・・うわっ!
真っ直ぐ立って、一回くらいならどうってことないんですけど、散々動き叫んで、
週11回のペースで行くと実はかなりの負担になるのです。
♪「お楽しみはー」ではなく♪「しわよせはー」という笑えない現実が来るのです。
「いやひどいね、ここ、相当へたってるよ・・・!」
幸二郎に教えてもらった整骨医院の先生は、私の肩甲骨あたりを押しながら
かなり呆れていました。
「こりゃ、安静にしなきゃ」
「あの、今日、2回公演なんですけど・・・」
「・・・!?」
とりあえず先生は、背部と左右長さの違った脚部を緩めてくれ、スターバックス・
コーヒーよりもっと配合妙、まるでシックイのような幸二郎推奨病院オリジナル・
スペシャルブレンド湿布を施しました。
治療が全部終わると、先生は私にこう聞きました。
「こんなのを毎日やってたら、なんかほかの仕事やりたくなるでしょ?」
先生はため息まじりに言います。しかし、私は間髪を置かず答えました。
「ぜーんぜん!」
「・・・!?」
「だって、楽しいんですよ。何千人のお客さんの前で、ライト浴びて
大きな声出して動いて・・・こりゃ、やっぱり幸せですよ」
「・・・へえ・・・そういうもんかね・・・」
「そういうもんです!」
私がにっこり笑うと、先生は肩をすくめて最後にこう言った。
「またいらっしゃい」
それでは、先生のお言葉に甘え、再び治療に行ってまいります。
その後は歯医者・・・休演日に病院のはしご・・・ああ・・・
しわよせだなぁ・・・!
PS
そんなこんなで「十二夜」チケットここでは終了です。
平日夜とかまだ大丈夫ですよ。
ぜひ、お運び下さい!

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