通院が終わり、アイボに社会のしくみを伝える。
分かったような〜分かっていないような〜定かでは無かったが、長引かせたく無かったので交渉し、作業場所に向かう。
到着すると、作業着を片付け林の奥に消えて行った。
職員さんに休む前の様子を尋ねると、給食時酢の物を口に入れ吐きそうにし、混乱していたことや早々に帰る支度をしてしまうので声かけし制止すると怒り出すなど聞いた。
事業所でも、苦手なものは残していいんだよ!
帰る時間を、伝えてあげて!
対応策を伝える。
自分なら直ぐに対応するだろう…
職員の方の話を聞きながら、コトバが引っかかる。
『仕事の出来る子と、出来ない子…』
モヤモヤしながら、帰宅すると携帯電話が鳴る。
『アイボ君が居なくなりました。』
引き返し一緒に捜す。
アイボは、本当に嫌だったんだ。
アイボは、林の奥の藪の中に居た。
もう給食の時間。
アイボは、真っ直ぐ食堂に向かっていくので、安心して自宅に戻る。
ちょっと早めに迎えに行くと、あの後又、逃げ出したそうだ。
『無理に引っ張ったら、やめてください!いかない!って言うんですよ。』
アイボは、もう来ないだろう〜と思った。
『来てくださいね。僕らがいろいろ言われちゃうから』
どう伝えても、分からない人には伝わらない。
そして、ある共通点が見えてきた。
真面目で自分が一生懸命であることのアピールが強い。
本人の気持ちを感じていない。
アイボを車に乗せ、涙がじんわり滲む。
『おかあさん、おかあさん』
アイボは、私が泣いているのが分かっている。
泣くなハレハレ!

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