いよいよ目前に迫ってきた「ディスカバリー」のフライトだが、先程、TVで「アトランティス」も緊急フライトの準備を進めているようなことを伝えていた。
絶対に失敗が許されないスペースシャトルのフライト再開。もしディスカバリーに何かあったらISSにドッキングしてクルーを退避させ、アトランティスが救出に向かうらしい。空前のバックアップ体制だが、ではISS側がどんな状況になっているのか、ついでなので調べてみた。
画像は現在のISSにディスカバリーがドッキングしている状態。
現在はプログレスM補給船と、滞在クルーの緊急脱出用ソユーズTMAがドッキングした状態。補給モジュールは今回の積荷だが、画像ではすでにISSに接続した状態になっている。
この状態でシャトル用とソユーズ用のドッキングポートがそれぞれあと1個づつ使用できるので、同時にアトランティスまたはソユーズがドッキングすることも可能に見えるが、実はシャトル用ポートは補給モジュールをドッキングするために図の向こう側へ移設されたままの状態。本来は、画像で補給モジュールが接続されている位置(下方向)がドッキングポートのノーマルな位置だ。
このままでは放熱板やトラスが込み入った方向からドッキングすることになるが、過去、この位置へのドッキングは前例が見つからなかった。恐らく、アトランティスがドッキングするまでに補給モジュールを外してドッキングポートを下方向(地球側)に移設したり、放熱板を折りたたむなどの作業が発生するものと思われる。
ドッキングポートの移設には配線の付け替えなども必要で、アーム作業も船外作業も必要になる。もし滞在クルーしか動けない状況になったりすると人手不足で受け入れ準備は不可能だ。
やはりISSはまだ中途半端な工事現場。どんな緊急事態にも即応できる体制とまではいかないかもしれない。ISSの構造や、工事に伴う組み換え方法なども、常時2機が安全にドッキング可能なように変更する必要が出てきそうだ。
もちろんISS完成時にはシャトル用ポートが常時2ポート使用可能になる。(通常は空きポートには7〜8人乗り緊急脱出用ビークルを接続予定だが、予算難で開発が頓挫しているらしい)

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