【「東山魁夷展」プレビュー1】よりつづく
章の順を追って魁夷の絵を観て来たのだが、窓のシリーズが出てきた時に、なるほど!と手を打った
彼の絵には、いつも希望があるのだ・・
代表作の道も希望への道だし、東山魁夷と言うと必ずのように出てくる「みどりの森と白馬」のシリーズがキレイすぎて私には付いていけなかったのだが、あの白馬もほのかな希望を表わしていると思う
窓を開けた先には新しい世界が広がっている 彼が窓に惹かれたのが当然のような気がした
また、彼の絵には湿度があるのだが、それは徳岡神泉のような日本の湿度ではなく、高原の朝のような爽やかな湿度だ
彼の絵は、朝のような希望を持っている
部屋の真ん中に立ち、じっと向かい合っているといつの間にか自分の心の中を覗くような内省した時間になった
絵を、離れた所から観た時と近くで観た時には見えるものが違っていた 多くの人に部屋の真ん中から見せてあげたいと思った
いつも屏風絵は立てたものでなくては良さ分からないと思うが、これも右から観て左から観て堪能する
あんな事こんな事思いながら観ていると、一時間半も早いものだ
最後に
「唐招提寺の襖絵」を観た
こんな鮮やかな画を、お寺の襖に描こうと言う心に驚いた
この部屋に座っていたら、海に囲まれた島にいるような気分だろうか・・
真新しい畳の香りが心地よく、臨場感のあるこの展示にはうれしくなったが、座った高さで観たくてかがんで観ると低すぎる
座った高さにしようと中腰になっても難しく、高さ調節に壁に背中を押し付けて観ていた変なヤツは私です
この反対側、今度は廊下の襖絵の設定で絵の前が廊下になって飾られていた
私は、この海の絵が部屋の中で、廊下側の絵が部屋の外の
1枚の襖の裏表かと思って観ていたら、端の襖2枚分だけ廊下に出っ張っている ??と反対側に戻り確かめたたら、どうやら違うと言うことに気づいた 一枚の裏表では贅沢すぎるよね・・と苦笑です
残念だったのは、これらの
「スケッチや唐招提寺の写真・間取り」が1階に、本物が2階に、と分かれて展示してあったことだ スケッチはそれでひとつの作品として楽しめるが、比べて見たかった 間取りから絵のしつらえを想像したかった 下で見たのでは上がるまでに忘れます
並べてみたら、この美しいお寺にこの絵がある事が嬉しくなったでしょう
今度は、この絵を唐招提寺でみたい 一般人にもこの襖絵は見学可能なのだろうか・・
そして、今回うれしかったのは、
作品リストに作品解説があった事
展覧会で絵の隣に解説があると、これを読むために人が固まってしまい、とても絵が観にくくなります 解説は手元にあれば読みやすく、また後で読み返すことも出来ます
また、絵が観やすくなるということでは、いつも音声ガイドのある作品を角に並べないで欲しいと思う 音声ガイドが終わるまでたたずむので、団子になってしまい本当に見えません
ギリギリ7時半まで観て外に出ると、雨上がりの街に街路樹の桜が浮き上がっていた
翌日自宅で、カタログの絵と作品目録をつき合わせて絵を思い出し確かめた 前期後期の入れ替えがあるので、今回なかった作品を確かめ、長野会場にだけ出る作品もチェックした 全部の絵を観たいのだ
ここまでやりたくなるは展覧会、多くはない
また、こんな機会があったらどんなに嬉しいだろう
今回会場で「kitchen tashiro」のpikaso41さんと初めての出会いとなった
先に帰宅したpikaso41さんとは、すれ違いに出口でのチョットの立ち話だけだったのが残念で、いつかゆっくりお会いしてお話したくなった

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