埼玉県の荒川の傍にある川島町に、
【遠山記念館】という素敵な建物とお庭を持つお雛様で知られている美術館がある 休日ともなれば、おば様族や年配のご夫婦・カップルが訪れる
私は建物の雰囲気が好きで何回か訪れたが、絵を観たのは初めてだった ここは高崎線桶川駅と川越駅に挟まれた「時間1、2本のバスしか公共交通機関」がない不便な土地だ
そこに、横浜から
「いづつやさん」がわざわざ絵を観る為にやって来たと聞いた いづつやさんがそこまでして観たい絵があるのなら、車で小一時間で行ける私が観ない手ないと思った
美術館入り口 お庭と建物一部
久しぶりの記念館は、雨の中でいっそう静かだった 入ったとたん、
荻原守衛の女が出迎えてくれたのには驚いた その部屋を挟んで小さな展示室が2つだった
本当のこと言って、私には日本画の良さが分かっていないと思う 昨年、北斎展を観て目覚めたばかりの初心者だ ゆっくり解説をよみ、馴染みのない名前を展示品目録に合わせて観て行く
こういう絵は傍で観ないと楽しくないんだよねと、細かいまで丁寧に楽しんだ これは空いている美術館の良さだった 私がいる間3人にしかしか合わなかった 北斎展の時も傍で一枚ずつ丁寧に観ていったことを思い出す 私は、絵の中の風俗にたいして興味が湧く
あの時代の遊びや楽しみ方、着物の着方、外国への興味など、ほうほうと思いながらみる 犬のいる絵から、この時代も犬は飼われていたのかなとか・・ こう言う時には、誰かと観ていると楽しいものだが今日は一人だった
そしていつも感じるのだが、
日本の絵は「表装してあることによって」なんて素敵になるんだろう・・と思う 油絵の額には、時々「絵にぴったりの凝った額」におお〜!思うことはあるが、まずこういう感覚はおきない
「源氏物語子の日図」の屏風絵は、源氏物語が好きなので嬉しかった 江戸時代に描かれた絵の「この鮮やかな色」が今まで保てるのは日本にあるからなのかと、先日の新日曜日美術館での千住博(博は`なし)の画材選びの話を思った
「布晒舞図」 美術館のHPよりお借りしました
「布晒舞図」の生き生きとしたリボンのような布が、ちゃんと空を舞っているようにいるように感じるなと思って見ると、楽器引きの視線を扇に持って行く くるりと巻いた所が奥行きを感じさせ、日本画は本当に空間の使い方が素敵だ 風神雷神の布を思い出す 日本画の線には本当にいつも感じ入る
春靄起鴉(しゅんあいきあ)図の風景画が気に入ったのだが、部屋の真ん中に置いてあるガラスケースの光がどこに移動しても反射してしまうのが残念だった
「虎渓三笑図」光琳のトラまでいた このトラも「布晒舞図」の楽器弾きたちにも感じるのだが、何か漫画のような愉快さがあるのだ 北斎の漫画と似ている 先日もどこかで日本画にそう思ったなと考える
いづつやさんの記事がなかったら来なかったであろう展覧会だったが、知って良かった来られて良かった
そして、どんどん日本画が好きになって行くのを感じる 分かっても分からなくても観て楽しいっていいな・・・
** ここのHPでは、所蔵品が観られます
http://www.e-kinenkan.com/syozouhin02-01.htm

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