金メダリスト荒川静香選手が昨日、大勢のファンでごった返す成田空港に降り立った。
ある程度、トリノにいるときから日本での金メダルフィーバーは予測していたであろうが、実際帰国してのこの騒ぎには本人も驚いているに違いない。まだまだしばらくは、マスコミなどに「勘弁して!」というくらい追い回されることだろう。プロを目指す荒川選手をテレビなどで見ていると、スター気取りのような浮ついた表情がなく、前向きな姿勢に私は一安心している。しかし、これから仕掛けられるであろうマスコミの罠にまんまと引っ掛からなければいいのだが…。
メディアは今は国家の英雄として彼女を毎日のように新聞や雑誌で取り上げ、テレビでもニュースからバラエティ番組まで引っ張りだこにしている。しかし、過去に彼らはオリンピックの金メダリストに対し、こんなことを平然とやってのけた。
ヒロインとして散々持ち上げたあげくヒートアップし、彼女の生い立ち、好きな食べ物や音楽、持っている洋服やブランド品、家族、友達、果ては男性関係についてなど、競技とは全く関係のないようなことを至るところまで調べ上げ、「ネタ」にしてしまった。そしてひととおりの「ネタ」が尽きると、一転メディアは彼女に牙を剥いた。「練習もせずに遊び呆けてる」「××kgも太った」「化粧も服装もセンスがない」「芸能人気取りで調子に乗っている」など心にもない、事実無根の話をぶちまけてまで売り上げアップを図ろうとした。
その選手は、その後しばらくは完全に調子を狂わせてしまい、引退の危機まで囁かれた。しかし今では努力を重ね完全復活し、今は周囲をさすがと言わしめている。
荒川選手にはそんなコトが絶対に起こって欲しくない。
メディアはきちんと理解しているであろうか?彼女は芸能人ではなくスポーツ選手であるということを。

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