Part.7
――12月23日、東(あずま)区近隣センター付近、午後18時11分。
「そういえば自己紹介まだだったな。俺は羽山智博。記者をやっている。」
「あっ、わ、私は神津恵(こうづ めぐみ)です。オーヤマ物産の事務をしていました。」
お互いの自己紹介が終わった所で、1度身体を休めるために近くにあったバス停のベンチに腰を下ろした。
周囲はみるも無残な状態。本当にここから脱出出来るのか確信が持てない2人。しかし避難場所があるなら望みを賭けて是非とも向かいたい。
冷え切った身体を小さなあたたまりポイントで温め、近隣センターまでの道を歩き始める。
小さな余震が響き2人の足は止まった。
「此処も早く通り抜けなきゃならんようだな。…肩を貸してやる、行くぞ!」
「は、はい。ありがとうございます。」
少しスピードを上げて道路を歩いていく。
しかし小さな余震が思わぬ結果を遂げた。
ドスンと大きな地鳴りがした直後に、後方道路がガラガラと音を立てて崩れ落ちていく。
「ちっ、とんだ演出だなこりゃ!」
神津を背負って全速力で駆け抜ける。地鳴りと崩れ落ちる道路、はねる水飛沫。振り返る余裕はない。走りぬいて安全な所まで行くしかない。
冷や汗が額に滲み、頬へと垂れる。
あともう少しという所で目の前に亀裂が入り、壁が出来上がる。
必死に食らいつき、手を伸ばす。
「―――くっ、ぬぬぬ……う…んっ。」
神津を背負いながら何とかよじ登り一息ついた。
「す、すみません。私のせいで…」
「大したことねぇ……このくらいはな。」
煙草でも吸いたい気分だったが、今は先を急ぐかと近隣センターを目指した。

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