石田は自転車を走らせていた。
行方不明届けの出ている、前田知子と四方田春海の捜索をする為だ。
村は割と小規模なので下手に車を使うよりかは小回りの利く自転車での捜索をと決めていた。
「女の子2人が山奥に入る事は先ずあり得ない…、いやあり得ないと思う事から探し始めないといけないか。もしかしたらって場合もあるだろうし……。――ん?」
前方の車がクラクションを鳴らしている。
石田は車の前まで行くと、助手席からケルブがワンと吠えて石田を驚かした。
「っわわわぁぁ。」
「ケルブ、驚かすな。」
「誰かと思ったら美耶子ちゃんに……淳くんに、須田くん?? 3人でお出かけ?」
珍しい組み合わせに石田は目を丸くさせながら質問をした。
「いえ、うちの亜矢子が何処にも居なくて探してるんです。見掛けませんでしたか?」
「亜矢子ちゃん? いんや……何処にも居ないってどういうことだい。」
「台所で夕食の準備をしに向かってから…一度も顔合わせしてなくて、淳さんが向かった時には既に姿が無く…。志村さんが捜索を名乗り出てくれたんですが、待ってるだけじゃ何も始まらないと思って俺達もこうして出てきたんです。」
後部座席から須田が経緯を石田に話す。
石田は今まで以上に驚いた表情を見せた。
「ってことは…行方不明者は全部で3人ってことか!!?」
「3人…?」
「実は前田さん家の知子ちゃんと、四方田春海ちゃんも行方不明なんだ。届出は出てるから自分が探しに出張ってるんだよ。」
「……恭也、淳。もしかしたら黒幕が居るかもしれない、淳、車出せ。」
美耶子にそそのかされて石田と適当に会話をした後、車を急発進させた。
石田は車を見送りつつ脳内で行方不明者が3人である事に心配の種が増え、これ以上増えさせてやるものかと勢い良く自転車を漕ぎ出した。

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