アニメ版「エンドレスエイト(涼宮ハルヒの憂鬱)」、原作は文庫で約80頁の中編が、アニメになるとなんと4時間もの超大作に!
原作をご存じの方も多いと思いますが、もともとは、主人公達が高校1年生の夏休みの最後の二週間を、ほぼ自覚のないまま1万5千回繰り返し、なんとか脱出に成功するというもので、毎週放映されていたアニメ版では、ほぼ同じ物語が、8回連続したのでした。
このことは、世間でも物議を醸していたようですが、私は、肯定的に評価しています。
原作は文字だけなので、さすがにループしている状況を何度も書くのは無理があります。しかし、アニメの場合、音と映像により構成されているため、登場人物の衣装、背景のしつらえ、台詞のいいまわし、アングルといった多くの要素で、「違い」を演出することが容易なわけです。そして、本作ではこの点が大いに活用されていました。
さらに、「違い」を演出するということは、映画にたとえれば最終版以外はNGなわけです。すなわち、今回の視聴者は、都合7週間にわたって、涼宮ハルヒ超監督によるNG集を見せられた後に、8週目になってようやくOKの出た最終版を観ることができたことになります。これは、映画のDVD特典でいう「バージョン違い(没テイク)」を堪能したうえで、本編を見るという、極めて現代的に映画鑑賞の姿を諷刺しているとも理解できます。
そして、なによりもこの作品の恐ろしいところは、予告編がないので、来週何が起こるかわからなかったこと、加えて、本編のかなりの部分を経なければ、視聴している回で終わるのか否かが判別できなかったことです。
繰り返し類似のものを見せられる視聴者の主観は、自分たちがループしていることに気づく登場人物に容易に感情移入することができるというのも、演出家の策略に違いありません。
類似のものを繰り返すという手法そのものが、巷では否定的に評価されていますが、私は、これは野心的な実験の成功例で、繰り返し見ること自体に本作の醍醐味があると思っています。
とりあえず、秋以降出る予定のレンタルDVDでぼちぼち見直して、いつか、BDが出たら、(たぶん)買います。

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