2009/7/3
劔岳 点の記 邦画

Mt. Tsurugidake (2009)
Director: Daisaku Kimura
Country: Japan
Rating: 42/100
『劔岳 点の記』 42点
困難な撮影を思ん計った同業者が見え透いたシンパシーを寄せ、浅薄なテレビ局映画の氾濫に辟易としていた観客が、判官贔屓して当て擦る。…後は、付和雷同の雪崩現象◆台詞が押し並べて安普請。映像を観せる為の、単なるキャプションとして書かれた浅はかなシロモノも散見された。やはり、脚本まで自分で書いちゃダメだよなぁ◆ズーム・ディゾルブ・ストップモーションの使い方が古臭いし、選曲も田舎の名曲喫茶みたいに権威主義的で、押し付けがましい。
2009/6/29
レスラー 洋画

The Wrestler (2008)
Director: Darren Aronofsky
Country: USA | France
Rating: 86/100
『レスラー』 86点
Super16(Arriflex 416, Zeiss Ultra Prime Lens)撮影、35ミリ(2.35 : 1)上映◆解像度の低い平板な映像に、閉塞感がベッタリと塗り込められている。16ミリフィルムの粗い粒子のひと粒ひと粒が、ジリジリとした焦燥感を点描している。負け犬を写す手段としては、パーフェクトである。見事に貧乏臭い◆ジャック・ブラック主演『ナチョ・リブレ 覆面の神様』でさえ制作費3,200万ドルだというのに、本作は700万ドル。反骨精神は、貧すれど鈍らず。思い知らされた。
2009/6/25
ディア・ドクター 邦画

Dear Doctor (2009)
Director: Miwa Nishikawa
Country: Japan
Rating: 45/100
『ディア・ドクター』 45点
青臭さと生臭さの塩梅が、何だかヨロシク無い。声に出してしまうと途端に陳腐になってしまう言葉も、何とかして客席まで届けるのが作家の務めである筈だ。若き研修医の“青春一直線”な台詞に、「そんな開業医の息子は居ない。時代が違う」と一気に鼻白み、以降「川島雄三+フランキー堺だったら」とか、「今村昌平+小沢昭一だったら」とか、残りの上映時間をタラレバ妄想に費やした◆生臭さが足りない人間ドラマは、色艶が冴えず滋味に乏しい。 【試写会】
2009/6/23
アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン 洋画

I Come with the Rain (2009)
Director: Anh Hung Tran
Country: France
Rating: 16/100
『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』 16点
トラン・アン・ユン、『夏至』以来9年振り、待望の新作。この時期に公開するという事は、配給会社としては、本来であれば「カンヌ凱旋上映」を当て込んでいたのだろうが…残念デシタ。監督週間での上映も無かったので、その出来の悪さは予め織り込み済み…とは言え、やはり、神の名を軽々しく口に出す者には厳しいバチが当たる様です◆ジョシュ・ハートネットの大根っぷりと、東アジアのローカル・スター(若干2名)のナルシストっぷりが…笑止千万。
2009/6/18
愛を読むひと 洋画

The Reader (2008)
Director: Stephen Daldry
Country: USA | Germany
Rating: 70/100
『愛を読むひと』 70点
ロジャー・ディーキンスとクリス・メンゲスの、最強ツートップによる撮影が素晴らしい◆プロデューサーのアンソニー・ミンゲラ以下、脚本・監督・撮影・主演女優まで、全てがイギリス人。アメリカ側の出資者も、シドニー・ポラックが参加している事から、その民族的背景が容易に想像出来る◆ドイツ語などという言語は、元から、この地上に存在しなかったかの様な英語劇。東アジアの隣国で、日本語抜きで作った『私は貝になりたい』を想像した。 【試写会】
2009/6/15
インスタント沼 邦画

Instant Swamp (2009)
Director: Satoshi Miki
Country: Japan
Rating: 28/100
『インスタント沼』 28点
16ミリで撮影されたプロローグ部分こそが“三木聡・節”の真骨頂、身の回り半径2メートルの「道中づけ」。身の程をわきまえ過ぎて身の丈以下になってしまったシオシオな日常を、落語的韻律で綴ったソコソコな身の上噺。でも、ネタ切れなのか、本作に及んでは「ずいぶんみんなくたびれた」感じです◆新鮮味と共に、毒気まで失われつつあります。地上波でOA可能なレベルにまで堕ちてしまっています◆苦し紛れ、現実逃避の似非ファンタジー。マジでクソ喰らえ!
2009/6/12
ウェディング・ベルを鳴らせ! 洋画

Promise Me This (2007)
Director: Emir Kusturica
Country: Serbia | France
Rating: 52/100
『ウェディング・ベルを鳴らせ!』 52点
2007年のカンヌのコンペ出品作(無冠)。完全に忘れた頃に単館上映…マジで観逃すとこだった。ちなみに、昨年のノー・スモーキング・オーケストラ来日公演は、マジで観逃した◆純朴な田舎者を中心に、マヌケなギャングとオチャメなブラスバンド、そして愉快な動物たちによって繰り広げられる、スラブ系オフビート・スラップスティック・コメディー。…つまり、いつものヤツである◆完全に手段が目的化してしまっている。既にセルフカバーの域である。
2009/6/11
重力ピエロ 邦画

A Pierrot (2009)
Director: Junichi Mori
Country: Japan
Rating: 24/100
『重力ピエロ』 24点
例えば「七つの大罪」になぞらえた連続殺人だったら、キリスト教徒じゃなくても、意味なんて解らなくても、その重そうで深そうな雰囲気に恐れ戦いちゃうんでしょうけど、「放火と落書きと遺伝子のルール」って言われても、「ふ〜ん、サウナンダ」って感じです。RPGみたいで、何だかワビサビに欠けます◆「俺たちは最強の家族だ」ってイキナリ勝利宣言されても、「ドコの家族と闘ってるんだよ」って突っ込みたくもなるワケです◆「重力消して、浮世離れ」の巻。
2009/6/7
スター・トレック 洋画

Star Trek (2009)
Director: J.J. Abrams
Country: USA
Rating: 44/100
『スター・トレック』 44点
『宇宙大作戦』のレナード・ニモイ(スポック)とディフォレスト・ケリー(Dr.マッコイ)が如何に良い役者だったのかを思い知った。勿論、久松保夫と吉沢久嘉の吹き替えも素晴らしかったのだけど◆日本のTVドラマ同様“イケパラ化”が図られた新シリーズ。コルベットのコンバーチブルとかバイクとか、画面に登場するマッスル礼讃アイテムからして、『トップガン』同様の右翼的愛国青少年扇動映画である事は明白◆国益のためには、時空の矛盾も踏んづけます。
2009/6/5
ガマの油 邦画

Gama no abura (2009)
Director: Kôji Yakusho
Country: Japan
Rating: 34/100
『ガマの油』 34点
Super16(Arriflex 416 Plus, Zeiss Prime Lens)撮影、35ミリ(1.85 : 1)上映◆「…轢かれ方が『ショート・カッツ』みたいだなぁ」と思った。そう言えば、ロバート・アルトマン作品も手掛けた栗田豊通が撮影を担当◆フィクションなのだから基本的には何でもアリなんだろうが、だからと言ってザツに描いてよいワケでは無い◆節操無くアチコチ喰い散らかし、さも意味有りげに、敢えて玉虫色のままエピソードを放置する。北野武的な観客への媚び方だ。 【試写会】


