2009/11/23

ワカラナイ  邦画

Wakaranai: Where Are You? (2009) 
Director: Masahiro Kobayashi 
Country: Japan 
Rating: 40/100 


『ワカラナイ』 40点 
10年前の『ロゼッタ』は海の向こうの貧困を描いた映画、5年前の『誰も知らない』は特別な事件を描いた映画だと思って観ていた。…そして、本作。描かれているのは、待ったなし、出口なしの、ニッポンの現在。…嗚呼21世紀、アカルイミライ◆おでん、玉子かけ御飯、本作ではメロンパン。…小林政広作品で描かれる「もの食う」シーンの執拗な反復は、いつも孤独で貧しく傷ましい。決して満たされる事無く、飢え渇いている。そして、怒りに充ち溢れている。



2009/11/20

母なる証明  アジア映画

Mother (2009) 
Director: Joon-ho Bong 
Country: South Korea 
Rating: 73/100 


『母なる証明』 73点 
マッコリに溺れ、ポンチャックに浮かれ踊る。そんな、暑苦しくもエスニックな生き方を全否定すること。それが、「グローバル化」なるものを推し進める事なのだと鵜呑みにしてきたツケが、リーマン・ショックを機に、タップリと利息を付けて回って来たワケです。…何も隣国に限った話ではありませんが◆太股に、そっと鍼を刺してみたところで、PCのリセット・ボタンを押す様な具合には参りません。半ベソで踊る母。…煮えたぎる様なラストカットが、圧巻。



2009/11/17

スペル  洋画

Drag Me to Hell (2009) 
Director: Sam Raimi 
Country: USA 
Rating: 64/100 


『スペル』 64点 
ハラワタもヨジレる、阿呆馬鹿法螺映画◆東欧ユダヤ系アメリカ人監督による、ロマ族(PC表現)への誤解と偏見を助長させる、侮辱的表現の数々…。共にホロコーストの犠牲となった双方の祖先たちも、草葉の陰で…ヨジレていることでしょう◆ツブラな瞳が矢鱈とエロい、アリソン・ローマン。『ホワイト・オランダー』で初めて観た時から、「このイヤラシイ目付きは、恐怖映画向きだ」と思っておりました◆よりストレートで、フィジカルな“エロ”の増量を希望。



2009/11/11

マイケル・ジャクソン THIS IS IT  洋画

This Is It (2009) 
Director: Kenny Ortega 
Country: USA 
Rating: 50/100 


『マイケル・ジャクソン
THIS IS IT』 50点 

モトを正せばリハーサルを記録していたビデオ映像なのだから、IMAXで観るメリットは薄いワケで、よって、音響重視で劇場選定。「KICリアルサウンド」の上映館で鑑賞する運びとりました◆他所の劇場より音が良いのでしょうが、実は、普段から慣れ親しんでいる劇場なのもで、格段の実感は得られず。…肝腎な演奏自体、リハーサルだから、いわゆる“ホンイキ”じゃないしなぁ◆音の細かいニュアンスに拘る上映より、耳を劈く「爆音」での上映を希望いたします。



2009/11/6

無防備  邦画

Naked of Defenses (2009) 
Director: Masahide Ichii 
Country: Japan 
Rating: 33/100 


『無防備』 33点 
ビデオ作品◆ハンディカムとファイナルカットさえあれば、映画を作る事が出来る時代。いわゆる“自主映画”だって、海外の映画祭で上映される時代。映倫審査を通して、木戸銭1,800円で興行する時代。…佳き時代を、素直に喜びたい◆意図的にレイドバックしている作品では無い。オントップで描くスキルが無いだけだ。感情が決壊する瞬間、命が湧き上がってくる瞬間…。時間を捉えるのは、構図では無い。編集(繋ぎ方)なのだ◆8ビット・シングルタスク自主映画。



2009/11/4

パンドラの匣  邦画

Pandora's Box (2009) 
Director: Masanori Tominaga 
Country: Japan 
Rating: 60/100 


『パンドラの匣』 60点 
個性的な美女たちのアンサンブルが、目にも麗しい。川上未映子と仲里依紗のキャスティングは、大正解◆舞台となる非科学的でインチキ臭い結核療養所「健康道場」は、アラン・パーカー監督『ケロッグ博士』の「バトルクリーク療養所」を思い起こさせる。本作に「エロ・グロ・ウン・ゲロ」は不要だが、それでも、もう少々淫靡な雰囲気が行間に漂えば、と思う◆遠近感の無いアフレコ音声は、台詞とボイスオーバーのコントラストを弱め、音楽を薄めてしまう。



2009/10/28

ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜  邦画

Villon's Wife (2009) 
Director: Kichitaro Negishi 
Country: Japan 
Rating: 37/100 


『ヴィヨンの妻
〜桜桃とタンポポ〜』 37点 

大き過ぎる芝居は臭いがキツくて厭なものだが、かと言って、本作の浅野忠信の芝居は、小さ過ぎて客席まで届かない。妻夫木聡や広末涼子といったテレビ俳優の未熟さは言うに及ばず、松たか子のダラシナイ口元からも、健気さや品位は感じられない◆居酒屋の酔客たちの一本調子な描き方、浅野が抽斗からカネを抜き取るシーンのベタなカット割り、立ち話で終わるラストシーン…演出も冗漫。



2009/10/25

激情  洋画

Rabia (2009) 
Director: Sebastián Cordero 
Country: MX | ES | CO 
Rating: 50/100 


『激情』 50点 
前作『タブロイド』に引き続きプロデューサーとして参加しているのが、ギレルモ・デル・トロ監督。見方によっては、本作も彼の『デビルズ・バックボーン』や『永遠のこどもたち』と通底する「“家系”地縛霊映画(デル・トロ節)」と言えるのかも知れない◆殺人行為そのものより、事後に行われる偽装工作の描写が出色◆諸般の事情により編集段階でカットしたそうなのだが、張った伏線を回収せず放置するというのは、如何なものだろうか? 【第22回 東京国際映画祭】

「コンペティション」部門・審査員特別賞



2009/10/23

旅人  アジア映画

A Brand New Life (2009) 
Director: Ounie Lecomte 
Country: France | South Korea 
Rating: 80/100 


『旅人』 80点 
HD(Panasonic Varicam)撮影、35ミリ(1.85:1)上映◆イ・チャンドン監督がプロデューサーとして参加している事を知り、脊髄反射的にチケットを購入◆エリ・エリ・レマ・サバクタニ(父よ、何ゆえに我を見捨てたもうや)…孤児院に引き取られる事となった9歳の少女が、新たなる人生を歩み出すまでを描いた物語◆主人公(キム・セロン)の演技が秀逸。同情するより応援したくなる。映画と観客が対等に向かい合う、清々しさを再認識。 【第22回 東京国際映画祭】

「アジアの風」部門・最優秀アジア映画賞



2009/10/21

クヒオ大佐  邦画

The Wonderful World of
Captain Kuhio
(2009) 
Director: Daihachi Yoshida 
Country: Japan 
Rating: 22/100 


『クヒオ大佐』 22点 
ビデオで撮影してフィルムに変換するキネコ独特の、滲んだような映像が汚い。そのくせ、被写体のエグ味だけはリアルに捉えるから始末に負えない。中村優子の小皺や歯並びの悪さが無意味に醜く映り、厭になる。あんな撮り方をされる女優サンが気の毒だと、心底思う◆岡本喜八リスペクトの序章には、一瞬心躍ったのだが、LAロケの部分は、完全にバブル時代の広告屋の、イビツな成金趣味。