「「龍的傳人」(レジェンド・オブ・ドラゴン)元華と星馳親子役で共演」
星馳出演作のレビュー
先日ソフトが手に入った星馳作品が数作ありましたが、その中からまずは日本語字幕のついた「龍的傳人」(レジェンド・オブ・ドラゴン)を取り上げてみたいと思います。

「龍的傳人」(レジェンド・オブ・ドラゴン)は1991年公開の旧正月映画。日本でも同年5月に「香港電影博」で上映されました。
監督は李修賢(ダニー・リー)と李力持(リー・リクチー)。
本作での星馳の役名は周小龍。そうです、彼の憧れ&尊敬の対象であるブルース・リーから来ている名前です。きっと本人も嬉しかったのではないでしょうか。
それから星馳の父役に元華(ユン・ワー)が扮していますが、彼の役名は周飛鴻といい、こちらの方はリー・リンチェイ=ジェット・リーでお馴染みの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズでの主人公の名前黄飛鴻(ウォン・フェイフォン)から取られたものです。
劇中、元華が「自分は『燃えよドラゴン』でブルース・リーのスタントをやったんだ!」と言うシーンがあるのですが、これが実話(!)だということを最近知りました。
「龍爭虎鬥」(燃えよドラゴン)冒頭で、洪金寶(サモ・ハン・キンポー)と闘った李小龍が見せる宙返りのシーン、その部分をスタントしたのが元華だったということです。

元華は今年春に行われた香港アカデミー賞で助演男優賞を受賞しましたが、(「功夫」での演技が認められて)この長い芸歴を考えると本人の喜びはいかばかりだったろうか、と思います。本当によかったですね〜。
さて、物語は香港最大の島ランタオ島大澳(タイオー)に住む周親子を中心に展開します。
この島でクンフーの道場を開く周飛鴻(元華)とその息子小龍(星馳)。のどかな田舎に暮らす小龍は夜は12時きっかりに眠り、(一度眠ると並大抵のことでは目を覚まさない)TV取材のカメラが来ると珍しがって妙なことをしてしまう、素朴な青年です。彼には妹弟子の阿毛(毛舜[竹/均]=テレサ・モウ)がおり、彼女は小龍に思いを寄せていました。
ある日父飛鴻の弟子である毛仁(梁家仁=レオン・カーヤン)がやってきます。実は彼は多額の借金を抱えておりその為のお金を貸してもらおうとしてきたのでした。金を借りることに成功はした毛仁でしたが、飛鴻から「息子を香港に連れて行き、修行をさせてくれ」と頼み込まれ、いやいやながら小龍を連れ帰ることに。
しかしここで意外なことがわかります。賭け事はいけない、常々父から厳しくいさめられていた小龍ですが、実は彼はスヌーカーの名人。
そのスヌーカーの腕を利用して毛仁は荒稼ぎをもくろみ、それは見事に的中。ふたりは超高級ホテルに滞在できる程の大金を手に入れるのですが・・・。
髪を極端に横分けして、それをまたご丁寧にぴっちりうしろになでつけたびっくりヘアスタイルで登場する星馳。最初は驚きますが、見て行くうちにそれほど気にはならなくなってゆくのが不思議。
きっとここでの星馳が島育ちの純朴な青年という設定で、まったく世間ずれしていないキャラなのでそういう髪型をしていても無理なく感じられるのだと思います。
元華演じる父も、武術の達人で人情味のある人柄で、世間ずれしていない、そんな人物として描かれておりいい感じです。
星馳と父子役で出た作品はこれ1本だけですが、この作品での息のあった親子ぶりを見ると是非また父子役を見てみたい・・・!と思いました。
(※「功夫」では、実の親子の設定ではありませんが、豚小屋砦の大家(元華)と奥さん(元秋)が星馳を見て「私たちの息子も生きていればあれくらいになっていたわね」と語り合うシーンがあります。)
星馳が劇中で披露するスヌーカー。これは玉突き競技の中の一種で日本で通常行われているものはポケットビリヤードと呼ばれ、スヌーカービリヤードはそれよりも高度の技術を要求されます。基本的に球を順番にポケットに落としてゆくだけで点数を競うビリヤードに対し、スヌーカーの方はそれぞれの球に点数がついているので、ただ落とすだけでは高得点が取れないのです。
実際に星馳自身ビリヤードがとても上手なことはよく知られていることですから、劇中でもそのキューさばきや精神を集中している時の真剣なまなざしなどがしっかりと楽しめます。
また試合のシーンでは実際のスヌーカー名人ジミー・ホワイトが出演して華麗な技を披露してくれます。
星馳の妹弟子を演じた毛舜[竹/均]=テレサ・モウのコメディエンヌぶりも楽しめます。
香港からランタオ島へ戻って来た星馳と感動の再会!・・・になるはずだったシーンは爆笑ものです。
1991年はその前年ほどではないけれど、年間9本もの映画に出演し、星馳にとってはとても忙しかったころ。
「弟」キャラから「兄貴」キャラへとゆるやかにシフトしつつあった時期の本作では、星馳はまだしっかりと弟な雰囲気を漂わせていて本当にキュートでした。

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