「香港馬でしょうね。スーパーホーネットじゃ足りないでしょうか…」
土曜日、ユニコーンS。
渾身の単複馬券を的中させ、勢いに乗るヒロ坊が航介と水道屋の晴彦に語る。
「スーパーホーネット?香港馬?オマエはバカか。スズカフェニックスが勝つに決まってんじゃんよ。出直してこいよ」
「実際にスズカはSホーネットと対戦して先着できてないじゃないですか。大将のお手馬だったAムーンに二歳時には勝った馬ですよ」
「好走はしてもGTで勝つ器の馬じゃねぇ。騎手も勢いはあるがGTじゃぁなぁ。せめてムーンに勝ったときに乗っていた内田博幸というなら考えなくもないが。前走で目一杯、あれ以上のポテンシャルはない」
水道屋の晴彦が腕組みしながら話に聞き入っているような素振り。
「ふっ。どうせウォッカっていうんだろ?」
「あたりめぇだろ。戦ってきた相手が違うぜ!牝馬と外国馬の3連単100円ボックスも買っておこ」
そう言い終えた時に入店してきたのは、おでん屋の大沢。
「馬券予想中ですか?教えて…」
相も変わらず乗り馬券。
みずから予想を放棄して馬券仲間の予想する有力馬で3連単ボックスを買っているのだが、もっとも収支がイイっていうんだから…。
「スズカフェニックスで堅いぜ。嬉しいことに外枠で、ごちゃつくこともねぇ。かなりのハイペースになるだろうから終始、外を廻らされることもあるめぇ。32秒台の脚で御馳走様さ」
晴彦が、にやりと笑う。
「あんまりに乗れていない武豊。渡米してカジノドライヴに乗るか、黙ってウォッカに乗れば良かったものを…。すべてにおいてリズムが狂っているんだな。そしてなんと岩田が回ってきた。鉄板だと思うぜ」
「わりぃが、ウォッカはGTを盛り上げるためにだけ出走してきたんだと思うぜ。去年のダービーを勝ったあとに宝塚記念を使ったようにな。陣営が狂っている」
「ん?スズカフェニックスとウォッカとヒロ坊のスーパーホーネットか。あとは外国馬を押さえておけばいいって算段ですね」
大沢がメモをし出した。
「もしスズカが負けるようなことがあるとしたなら、池添のドリームジャーニー。調教が異常だったぜ。あの馬は小柄だから、どうしてもカンカン泣き(斤量に泣く)してしまうが、マイルまで距離が短縮されたら、ぶっちぎられてもおかしくない。押さえておけ」
●安田記念(GT)
◎スズカフェニックス(武豊)
単勝P10万円
複勝P20万円