2006/1/17
「乱歩地獄@ニューテアトル横浜 1月14日」
entertainment
http://www.rampojigoku.com/
江戸川乱歩の4つの短編「火星の運河」「芋虫」「鏡」「蟲」を全て浅野忠信主演&それぞれ違う監督で制作したオムニバス。
乱歩は結構好きだしスケジュール的にもラストチャンスだったので、夕方にこの映画の存在を知って翌日11時には横浜へダッシュ。
[火星の運河]
ストーリーもせりふもない、「映像作品」といった趣。
長髪をなびかせ赤い荒野を歩く浅野の表情と、床の上でなぶり合う両性具有の肉体がフラッシュのように画面に現れる。
荒野のオアシスに辿りつき、その中に倒れこむ。
[鏡]
原作は確か、鏡職人が鏡の球体を作って中に入ったらどんな世界が見えるかやってみる、というごくごく簡単な話だったような気がする。
人間の心のふとした歪みで狂気の世界に至る、という乱歩お得意のエッセンスがよく表れてたと思うけど、この作品はストーリーがかなり違うし全然別物と考えていい。
昭和の鎌倉の華道界で起こる連続変死事件と、その鍵を握る美しい鏡職人の青年がジャパニーズホラータッチで描かれている。
時代を感じさせるじめっとした雰囲気の冒頭から青年が金色の光をまとって球体から出てくるラストまで、かなり荒唐無稽な展開な割には限られた時間で雰囲気が出せてる。フルタイムで作ってみたらもっと面白かったかも。
[芋虫]
戦争で手足を失った男とそれを介抱する妻の、息詰るような日常のやりとりが描かれた衝撃作。
窓からさしこむ光が妻を照らし暗がりに夫が寝転がる白い家のセットや、全然時代を感じさせない妻の衣装、なぜか60年代モッズスタイルで狂言回し的に登場する「平井太郎」(乱歩の本名)の存在など、不条理劇の舞台ぽい作りになっている。
[蟲]
美人女優を殺して永遠に自分の人形にしようとする、という話で、多分4つの中で1番原作に忠実。
生身の女が苦手な男の猟奇殺人に至る心理がセクシャルな暗喩も交えながら絶妙に描かれてたのだけど、浅野さんの演技は湿度が低いし典型的なところとは言えない。だけど彼が演じるから、ならではのものもこれが1番大きかったと思う。
この美人女優役で緒川たまきさんという人を知ったのがこの映画1番の収穫。
とにかくゴージャス綺麗!(キレイとかじゃなくて、綺麗)
他の作品での明確さに比べると、彼女が服を着せられたままなのは表現として不自然な気がしたけど。(女だから誤解を恐れず書ける(笑))
ラストで「木下芙蓉っているでしょ?僕が殺したんです」と言いふらすのに誰も知らない、というところがあるけどこれって実際には場末のしがないダンサーが主人公にとってはセレブっぽくまぶしく見えたってことなのかな?
「蟲」っていうタイトル通りの映像も出て来たりしたので、食事前に見るには辛い映画だと思う。
でも帰りにはしっかりカレーミュージアムに寄った(笑)

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