■葉桜が来た夏/作:夏海公司/絵:森井しづき/電撃文庫
いや、好きです、こういうの。
まず表紙の絵がよいです。
型にはまってない、あまり媚びてない、堂々とした絵だと思います。
感のよい方はピンと来たのでしょうね。
主人公が探している片腕の異星人が、実はクラスメイトのちょっと変わった女子だったとは。
僕は最後まで気がつきませんでした。
まあ、最初はぶつかりながら、途中でいろいろあって最後はお互いを認め合う、というのはよくある物語なんですけど。
でもやっぱりいいですよね。
文章というか物語全体的に、やさしくないんです。
ちょうどよい感じにピリッとした現実味があります。
共棲(異星人との同棲)。
なんかあるはずですよ、そりゃ。
ちょうどうまい具合にギブアンドテイクが成り立っているので、お互いにそれでいいのならなにも問題ないでしょう。
別の問題もたくさんありそうですが、まあそれは置いといて。
片腕さんの気持ちもわからなくもないです。
主人公と、共棲者の葉桜それぞれの立場と自分の過去の整理の仕方、それぞれの親たちの考えとのギャップがうまく物語になっていますね。
まだまだ穏やかじゃない世界ですけど、変わっていく街の中、変わっていった地球人と異星人の関係の中で、主人公も今の世界との関わり方がわかったというか。
葉桜とどうこうなったわけじゃない終わり方もよいです。
ちょっと物足りない感じもしますけど、この物語上はこのほうがしっくりきます。
終盤の疾走感もよいアクセントになっています。
ただちょっと教科書っぽいというか、異なる考えとの接し方について押しつけがましいところもあるので、そこがちょっとひっかかりますけど。
全体的に、葉桜と主人公のすれた感じがよいです。
(H22.9.5)

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